第一回Hi! ku City選句結果 |
俳句 | 作者 | 選 | 発言者 | コメント |
夏帽の大きさほどに自由なり | たかし | 特選 | 凝視 | 限定的自由。満足するかどうかはその人次第。なかなか深い一句だと思いました。 |
特選 | 子壱 | 好きな句です。なかなかこうは詠めないなあ。 | ||
選 | (h)かずひろ | 窮屈な自由。果てのない不自由。 | ||
選 | showmaru | 夏帽は毎年買うものなのか。しかし頭の大きさは年々でそれほど違わないのだから、自由の色合いは変わっても際限はあるということだろう。 | ||
選 | きりこ | だから大きな麦わら帽子をかぶる。 | ||
選 | しるこ | 夏休みといえども、全てが自由ではなく夏帽の幅だけに自由になるというのが、実感こもってていいです。 | ||
選 | ハードエッジ | |||
選 | みずくらげ | それでも、普段よりはうんと自由。それがうれしい。帽子だって気に入ってるしね。 | ||
選 | 喜誉司 | 「ああ不自由だ」といいより「ああ自由だ」という感じが好感。 | ||
選 | 杜詞 | 夏休みというテーマによく合っていると思う。上手です。 | ||
選 | 齋藤朝比古 | 表現方法にややパターンあるが、夏帽がイイ。 | ||
感想 | 岡村知昭 | なかなかなものでした。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | 好きでした。 | ||
感想 | 健介 | 「自由なり」の「なり」もトリミングして《夏帽のひさしの広さほど自由》とする手も有りか? | ||
感想 | 花音 | やっぱり白くてつばの大きい帽子なんでしょうね。女性の自由という感じがします。 | ||
感想 | 秋津 遥 | 忙しく働く女性の姿が浮かびます。応援します。 | ||
夏休みだから大きな穴である | 凌 | 特選 | かんな | 意味深長 |
特選 | 夜来香 | はいっ、そうですっ、と思わず返事をしてしまいそうな妙な説得力がある。好きです。 | ||
特選 | 齋藤朝比古 | 俳句的断定の心地良さ。 | ||
選 | 岡村知昭 | 特に大きな意味があるわけではない、しかし「だから」の接続でおそろしいほどにナンセンスな世界が生まれました。ブラックホールのように、読めば読むほど深みにはまっていくのです。這い上がって来れますか。 | ||
選 | 五十嵐秀彦 | 大きな穴を掘った? 一年の中の夏休みという穴のような日々? それとも自分の存在そのものがぽっかりと開いた穴なのか。気になる。 | ||
選 | 子子 | ふーむ、と妙に納得してしまう。。。騙されてるんだろうか。 | ||
選 | 正明 | 確信犯じゃないかな、と思うのですが、こういうすっとぼけた句は好きだなあ。謎を楽しめる句。 | ||
うかうかと尻尾をはやす夏休み | しぐなす | 特選 | あずさ | おっ、やばい。 |
特選 | 岡村知昭 | 「うかうか」が絶妙。夏休みも終わるまぎわ、ついつい尻尾をはやしている自分に気づくわけですが、この感覚楽しませてもらいました。 | ||
特選 | 子子 | あー、好きです、この世界。夏休みの気分です。尻尾って、欲しい!! | ||
選 | きりこ | 暑いものねぇ。 | ||
選 | 子壱 | 私も尻尾が生えてしまいました。 | ||
選 | 川瀬賢二 | どちらかというと「根っこが生える」という感じ。 | ||
感想 | エスプレッソ | すぐに終わってしまう夏休みの寂しさが可笑しみをもって表現されている。 | ||
感想 | 健介 | なんだか微笑ましい句。 | ||
夏休み満足できぬ犬が来る | 五十嵐秀彦 | 特選 | 健介 | 私の解釈で合っているのか分からぬが、現実として知り得ている人のエゴまる出しのこの種の価値観を、これまたエゴイスティックな人間の一人として看過できぬ、決して支持できぬ、などと読者の私に思わせるというこれほどの後味の悪さを突きつけてくる句を私はほかに知らない。作品として評価しないことが自らの偽善の裏返しにほかならないような。取り敢えず念を押しておくが、作品として評価せざるを得ないことは決してこの句の言わんとする価値観への支持を意味するのではない。私自身のエゴは堂々と棚に上げたその上で。 |
特選 | 正明 | 「満足できぬ」というところに、夏のけだるさ、犬の息遣い、見ている作者の心遣いなどいろいろな要素が感じられて、句の世界が広く感じられます。一目で特選に選びました。 | ||
特選 | 川瀬賢二 | 「犬が来る」とは、なんとも新しい語感で、ひだるい感じが良い。 | ||
選 | みずくらげ | あついあつい輻射熱を直にあびる毎日が続く。犬にとって、人間の夏休みなんてただそれだけのこと。気がつかなかったな、犬の立場。ごめん、ごめん。 | ||
選 | 岡村知昭 | 夏休みに満足できないのか、この世のあり方に満足できないのか、犬の不機嫌〈?)へのおののきが伝わってきます。せっかくの夏休みなのにね。 | ||
選 | 姫余 | 何が満足できないのか、気になりましたる | ||
感想 | あずさ | I can get no satisfaction♪ | ||
絵日記に少年の夏塗り急ぎ | showmaru | 特選 | しるこ | 遊ぶのに忙しく、あわてて夏を塗っている「私」が目に浮かびました。 |
特選 | 小島けいじ | |||
選 | あずさ | はかなさがよく詠まれていると思います。 | ||
選 | かんな | 「少年の夏塗り急ぎ」が好き。「絵日記」じゃなければもっとよくなると思う。 | ||
選 | しぐなす | クレヨンで必死に絵を描いている小学生を想像しました。宿題ははやくやりませう。 | ||
選 | 子子 | いいですね〜。何気ない言葉でこれだけのことが伝えられるのは、すごいことですね。 | ||
選 | 槇修子 | 小学生の頃を思い出しました。井上陽水の「少年時代」が聞えてきそう。 | ||
感想 | 健介 | 業務連絡なるかもしれない。あなたの場合そんな気が_。さて、この句の場合ですけど《絵日記に少年夏を塗り急ぐ》としては? と思ったのですが、元の句と比べてみた印象は如何でしょうか? | ||
感想 | 花音 | 「塗り急ぎ」という表現に夏休みが終わる切なさが感じられます。 | ||
夏休み絶滅危惧種を表にして | 水月 秋杜 | 特選 | showmaru | 絶滅危惧種を書き出すなんて、作者にとってどんな意味があるのだろう。でも確かにこれは、夏休みにしかできないことに思えてくる。 |
特選 | しぐなす | 「絶滅危惧種」がツボにきました。そんな宿題いかにもありそう。「夏休み!」という感じがとても出ていると思いました。 | ||
選 | showmaru | |||
選 | 健介 | 《夏休み絶滅危惧種を表にする》という結び方の方が私は好きですが。 | ||
選 | みずくらげ | 絶滅危惧種という硬くて真面目な言葉と、夏休みが妙に似合って素敵だと思えるのは何故だろう。そうだ、私も固くて真面目なのだ。きっと。 | ||
選 | 子壱 | ちょっと「絶滅危惧種」の措辞にもたれているような。 | ||
選 | 小島けいじ | |||
選 | 川瀬賢二 | そうだそう、そういうことをしたりする。 | ||
感想 | あずさ | 表が出来上がったら、保護活動を推進をしましょう! | ||
自解 | 水月 秋杜 | この中にいつか人間も……っていうコピーがあったっけ。 | ||
ロッカーの扉の凹み夏休み | 詠犬 | 特選 | つーやん | もとからそうなのか、誰かが嫌がらせをしたのか、自分で誤ってしたのか、故意にしたのか、等々、どうしてロッカーの扉がくぼんでいるのかはわかりませんが、すかっとしない一学期が終わって、とにかく夏休みが来たっていう感じがしますね。 |
選 | かんな | 人間ドラマを想像させられた。 | ||
選 | 健介 | 「夏休み」の一句としてなかなかシブイ。センスの良さが感じられる。 | ||
選 | しぐなす | 誰もいないラグビー部部室を想像しました。着眼点がいいなと思いました。 | ||
選 | 松山たかし | 夏休みって何だろう。どんな風にみんな過ごすのだろう。・・そんなことを考えていて、ロッカーの扉の凹にあるといわれると、納得できるんです、これが。 | ||
選 | 正明 | 男子高の、運動部の部員かなにかのロッカーを思い浮かべました。何げないところの観察がいいです。 | ||
選 | 齋藤朝比古 | 懐かしい世界。季語がやや予定調和的なのが残念。 | ||
感想 | あずさ | 八つ当たりしたのは誰? | ||
夏休み人体模型と駆け落ちす | しぐなす | 特選 | (h)かずひろ | ロマン?それとも打算? |
特選 | 姫余 | 上句と中句との発想の転換が面白かったです。 | ||
選 | かんな | あり得なさを突き抜けた喜劇性を感じる。 | ||
選 | ごんた | |||
選 | 小島けいじ | |||
選 | 齋藤朝比古 | 作者は淋しいひとなのか、ロマンチストなのか。 | ||
感想 | さぶちゃ | 終り無き、表現と可能性の追求。わかりますとも、同業者〜(苦笑い | ||
感想 | あずさ | サイバーパンクな物語のはじまり。 | ||
感想 | 健介 | 一読、面白い。あまり燃えそうにない「駆け落ち」、いや燃える? | ||
感想 | 秋津 遥 | 「人体模型」がちょっと意味不明ですが、面白いと思いました。 | ||
感想 | 豆獅子 | 夏といえばアバンチュール、こんなクールな彼?と逃避行したいです。 | ||
カッコーやカッコー読書感想文 | かんな | 特選 | ハードエッジ | 肩の力が抜けました。膝の力も抜けました |
特選 | みずくらげ | 選句リストの一番目を特選に推すなんて、少し安直かと思ったが、何度検討してもカッコーの音色はすがすがしく軽やかに私の耳に届いた。同時に、ゆったりとしたフルカラーの世界が、パノラマのように展開していく迫力。十七文字という窮屈なことばが紡ぎ出す雄大な抽象の不思議。 | ||
選 | たか志 | 作者が何を言いたいのかよく分からないんですけど、なんだかおもしろいので、選んじゃいました。感想文をなかなか書けないでいる自分を、カッコーが「あほう、あほう」と言っているようだ、なんていう解釈はあり!? | ||
選 | 子壱 | 上五の「や」が呼びかけでしょうか。それとも関西弁?あるいはガッコウ?なぜか明るいんですよね。夏休みの最終日宿題には見えない。きっと余裕の夏なんですね。 | ||
感想 | あずさ | 句の読み方として邪道かもしれないのだけれども、カッコーの音から、ガッコー=学校が容易に想像できてしまってそのことが残念。 | ||
感想 | 健介 | 何だか分からないんだけど、この句って可笑しい。 | ||
あと二日茶髪でとほす夏休み | つーやん | 特選 | ごんた | そうなんですよね。夏休みイコール冒険。でもそれは期限付きなんですよね。実感です。 |
特選 | たか志 | 普段は茶髪にはできない、堅い仕事についている人なのでしょう。あと2日、夏仕様の自分でいたいという気分。とってもよく分かります。共感できました。 | ||
選 | 一文無 | |||
選 | 正明 | よくわかる句。私も休みにあごひげをのばしてみたいと思ったことが。 | ||
感想 | あずさ | 髪型というのは、ときに自由の象徴になるのです。 | ||
感想 | 健介 | “それなりの苦労”お察しいたしますって感じ_。 | ||
帰省する妻子見送りスーツ着る | 榎本 千香 | 特選 | 槇修子 | 「夏休み」と聞くと楽しいことばかり連想する私。それなのにこの句は、若いお父さんの哀愁が漂っていて、現実味があって、ぱっと情景が思い浮かんだので印象的でした。 |
選 | 健介 | この句の惜しいところは「帰省する」「見送り」「着る」と、用言を三つも入れてしまっていること。こんな場合おのずと“こうしてああしてこうなって”的な感じとなり、切れ味に欠ける印象を読者に与えやすい。《帰省の妻子見送りて着るスーツ》などにすれば宜しいかと思う。それにしてもこの句、どことなく夫に不倫の匂いを感じてしまったのは私だけだろうか? | ||
選 | さむらい | お父さんは大変。でもちょっぴり嬉しかったりして・・・。 | ||
選 | つーやん | 伝統的俳句結社の句会では、一句の中に動詞を三つも使うとめまぐるしいときついお叱りを受けるでしょう。でも、この句の場合、他に言い表し方がないような気がします。さて、この男性の心の内はいかに? | ||
選 | 五十嵐秀彦 | そうですね。夏休みの姿になってはしゃいで帰省する妻子を見送るのが時分にとって最も夏の匂いのする風景、という男たちは日本中にたくさん居ますネ。共感しました。 | ||
感想 | さぶちゃ | 離れて暮らす、働き者の父を思い出しました。(特選) | ||
感想 | あずさ | 作者の感情が見えて来ない。 | ||
感想 | 藤井 護 | 不景気といわれる中、それでも仕事だけあるほうがましと考え、有給もとれず、妻子だけを実家に帰し、独りいつもの都会で出勤するサラリーマンの哀愁がここにある。 | ||
片思ひすら怠れり吊葱 | 白井健介 | 選 | 喜誉司 | 「怠れり吊葱」というところに華奢だけど強〜い俳句の醍醐味を感じました。 |
選 | 凝視 | |||
選 | 杜詞 | 夏特有の脱力感がよく表されている。漂うアンニュイさが良い。 | ||
選 | 夜来香 | 吊葱というのが季語になるのかどうか不明ですが、夏のウラ季語という気がします。いつのまにか芽が伸びきった葱、オトナの夏休みの無力感と重なりますね。 | ||
選 | 槇修子 | 「片思ひすら怠れり」の表現に惹かれました。片思いを怠るって・・・そういうことも、ある。 | ||
感想 | あずさ | エロスは生命の源泉。蘇ろう! | ||
感想 | 秋津 遥 | あまりにも寂しすぎる感はありますが、「吊葱」のあわせはよく気持ちがでていると思います。 | ||
近づけば海鳴りがする猫の夢 | 子子 | 選 | しぐなす | 意味よりもパーツに惹かれました。猫、海、砂浜といった情景が、脈絡なく心地よく頭に浮かびました。 |
選 | ハードエッジ | |||
選 | 喜誉司 | 作者は意識していないかもしれませんが、ロジカルな作品ですね。 | ||
選 | 松山たかし | こんなシュールさが本来好きです。いろいろイメージできるから。「近づけば」は少し判りにくかった。 | ||
選 | 姫余 | 完成された作品ですね。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | 好きでした。 | ||
感想 | あずさ | 猫も海で遊びたい? | ||
台風やずんずん埋まる秘密基地 | かんな | 選 | showmaru | 雨や風が強くなるのに、気になって見に行ってしまう。そしてなぜか崩れていくのを納得してしまう。秘密基地は大人になってもまだ未完成なのさ。 |
選 | つーやん | |||
選 | 榎本 千香 | |||
選 | 小島けいじ | |||
選 | 夜来香 | ああ、夏休みもこれで終わりかぁっていう哀愁を誘う句。ただし、今のコドモ達も基地を作って遊んでいるんだろうか? | ||
感想 | 正明 | 惜しい次点。 | ||
感想 | あずさ | 土砂災害か?それともお砂場? | ||
感想 | 秋津 遥 | 「ずんずん」でいいのかしばらく考えましたが、やはり「ずんずん」が効いていると思います。窓の外をみながら、心配している少年が目に浮かびます。 | ||
ビー玉の未来ざわめく夏休み | 姫余 | 選 | (h)かずひろ | 「未来ざわめく」という表現をおもしろく思いました。 |
選 | ごんた | |||
選 | 一文無 | |||
選 | 子子 | イメージが、綺麗で華やかでいいですね。夏休みへの期待感。。。 | ||
感想 | あずさ | ビー玉のざわめき、いいですね。夏休み以外のものを持ってくれば、もっと広がりのある句になったような気もする。でも好きな句です。 | ||
感想 | エスプレッソ | 夜店の夏の気分と、夏休みに様々な計画を持って何かしてみようと考える思いがビー玉のカラフルで涼しげな印象と巧く重なった句。 | ||
感想 | 健介 | なんだか“癒し系”な雰囲気に捨てがたい魅力が__ | ||
感想 | 花音 | ビー玉までわくわくしているような夏休みの感じが出ていてとてもよかったです。(特選) | ||
感想 | 豆獅子 | 夏休みに大きく成長する子供たちのわくわくした感じが、ビー玉の透明感とゆらゆらした様に似ているなと思いました。涼しげな感じも良かったです。(特選) | ||
峰打ちにとどめおくべし西瓜割り | 白井健介 | 特選 | 榎本 千香 | |
選 | 五十嵐秀彦 | ユーモラスな句。好感持てる。やっちゃったんですね。砂混じりのスイカの味。たかが西瓜割りに侍のような言い方がたのしい。 | ||
選 | 川瀬賢二 | 「おくべし」です。 | ||
感想 | あずさ | 西瓜が気絶する? | ||
感想 | 久米仙人 | 面白いです。目に浮かびます。ぐしゃぐしゃになった西瓜を見て「あ〜あ」とか言っている姿も、目に浮かんできました。 | ||
自解 | 健介 | 《峰打ちにとどめおかれし西瓜割り》とすべきところでしたね。そうする方が幾らかでも普遍性・客観性を匂わせることが出来ただろうなぁとすこし後悔してます。 | ||
沖の船向きさまざまに夏休み | つーやん | 特選 | 一文無 | 景がよく見える。ワイドスコープの映画の一場面をみているようだ。 |
選 | たか志 | 見たことを素直に詠んだのがいいと思います。 | ||
選 | 齋藤朝比古 | 心地良い世界。「さまざまに」というあたり推敲の余地あり。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | 好きでした。 | ||
蛾を食らう守宮と目が合う見ぬふりをする | みずくらげ | 選 | 五十嵐秀彦 | 破調というか自由律というか。本来は採りたくないのだが、高い詩性を評価。 |
選 | 子壱 | 動詞が四つも!ほとんど禁じ手なのですがすごい。ところで、蛾を食らっているのは、作者?それとも守宮?見ぬふりをしているのは守宮?その辺の怖さもシュールですごいなあ。 | ||
選 | 杜詞 | 4コママンガになりそうな光景が目に浮かんだ。 | ||
感想 | 久米仙人 | 「井戸を守るからイモリ、家を守るからヤモリ」そう聞いた事があります。ヤモリは、こういう字で書くのですね。実家に住んでいたヤモリを思い出しました。 | ||
感想 | 健介 | 「見ぬふりをする」というのが蛇足のように感じられます。《蛾を食らふ守宮こちらを見てをりぬ》って、ちょっと面白いと思いません? | ||
感想 | あずさ | 食事中はそっとしておいてあげましょう。 | ||
貸した金ふと思い出し昼寝覚む | 杜詞 | 特選 | きりこ | 川柳か俳句か..でも面白い着眼点。 |
選 | showmaru | 一度目覚めるともう眠れない。おそらくもどってこない金だけに、余計気になって。 | ||
感想 | さぶちゃ | お金、というより、本とかビデオ…。ファンクラブの会報とか、ひょうきん族のビデオ…10年経っても、返して欲しいのょ(苦笑い | ||
感想 | あずさ | わたしも覚えありだわ。 | ||
感想 | 健介 | この句の場合も「貸した」「思い出し」「覚む」と用言が多く、わずかに間延びする感じがあるのは惜しい。“昼寝覚(ひるねざめ)”という体言の形で遣うなら《貸した金ふと思い出す昼寝覚》というふうにできます。 | ||
盆の墓石工あらはれ来て眩し | 五十嵐秀彦 | 特選 | 松山たかし | 新しい墓が立った。この句には暗さや哀しさは一切ない。むしろ汗を感じる。そんないさぎよいとらえ方が心をうった。「あらわれ来て」のたどたどしさが残念。 |
選 | つーやん | |||
感想 | あずさ | もしかして、寺内さん? | ||
→→よりも↑↑な気分の夏休み | 小島けいじ | 選 | かんな | 「の」は要らないと思う。ビジュアルな句ですが、披講の時どう読むのだろう。 |
選 | ハードエッジ | |||
選 | 一文無 | ↑↑に夏のイケイケ気分がよく出ているような気がする。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | 好きでした。 | ||
感想 | あずさ | いいっすね。 | ||
感想 | 健介 | おそらくは多くの人がそうでありましょう。 | ||
物の値はアイス換算法で知る | 凝視 | 特選 | 杜詞 | 「アイス換算法」という言葉がそこはかとなく面白い。 |
選 | 喜誉司 | 夏や夏休みじゃなきゃ思いつかない作品では。 | ||
感想 | あずさ | アイス換算法? ハーゲンダッツなら何本とか、ジェラートならダブルコーンとかということでしょうか? | ||
感想 | 健介 | 恐れ入りますが「アイス換算法」というのをどなたか解説して戴けないでしょうか? | ||
金縛り 一面タオルケットかな | 石井 泰 | 選 | (h)かずひろ | 現代的な「一反もめん」 |
選 | 凝視 | |||
選 | 夜来香 | 金縛りって、寝冷えをするのか夏に多く起こるような気がします。一字空けたところが、ぞっと感を出していますね。 | ||
感想 | あずさ | タオルケットが金属になる夢だったら凄かったかも。 | ||
感想 | 健介 | 表現の大胆さは“魅力あり”です。 | ||
自解 | 石井 泰 | 中学の時、初めて金縛りに会った。夏休みの或る朝、ザワザワするような、鈴の音のような何か騒がしい音で目が覚めた。タオルケットを頭から被って寝ていたので、目の前はタオルケットしか見えない。夏で雨戸を開けて寝ていたので、朝の光が差し込み、タオルケットを被っていても、明るい。『起きよう』と思ったけど、体が動かない。相変わらず変な騒がしさの中、なんとか体を動かそうとしたが、動かない。『これが、金縛りというものなのか!?』と気付き、迂闊に目を開けてしまった自分が、タオルケットを被っていた事に感謝した。そうでなければ、何を目にしていたか分かったもんじゃない。その時のタオルケットの柄は、30年を過ぎた今でも脳裏に残っている。 | ||
金魚鉢今日も朝から水泳大会 | ごんた | 選 | さむらい | 夏祭りですくってきた金魚たち。泳ぐ姿をながめるだけでなんか楽しくなるんですよね。 |
選 | 姫余 | おもわず、子供に戻ってしまいそう。楽し〜い。 | ||
選 | 槇修子 | 純粋に“可愛いな”と思いました。縁日で取ってきた金魚に見入る子供に、若いお母さんが話しかけているような雰囲気。 | ||
感想 | 健介 | ポロリもあり? | ||
自解 | ごんた | 人間はばてているのに金魚たちは元気ですよね。 | ||
ぼうぼうと燃えているところが夏休み | 摩砂 青 | 選 | しるこ | いつも朝寝坊だったのに、夏休みになったらすごおく元気になりじっとしていられないって感じですよね。 |
選 | 子子 | そんな感じします。というか、そう思いたい?!というか、こう思わせてくれる作者にcheers!! | ||
選 | 松山たかし | 夏休みってこんな感じ。わかりやすい。広がっていて、つかみどころがないので、並選。 | ||
感想 | あずさ | くすくすとくすんでいるところが仕事中ですね。 | ||
もう二度と、いえもう一度夏木立 | 子子 | 選 | あずさ | 一度倒れた夏木立がひょいっと起きあがったような印象を受けた。面白い。 |
選 | 健介 | 私自身は読点(、)を遣った句を作ることはないと思うのですが、それにしてもこの句の「、」の完璧に効いた“思わせぶり加減”は絶妙だと思う。讃。 | ||
選 | みずくらげ | そうです。発情期を迎えた霊長類ヒト科の牡と牝の行動生理学としては、とても正しい観察だと言えます。しかし、霊長類唯一のホモサピエンスであるヒトは、なぜか本能的衝動からの回避を身につけ、強いもの勝ちそれいけどんどんというとても明快で豪快な生殖行動を控えるようになりました。比較行動学見地からすると、それは明らかに退行現象ですが、ヒト自身はその現象を、恋だとか片思いだとか言ったりして…。でも私はその退行現象がきらいではない。 | ||
感想 | 岡村知昭 | なかなかなものでした。 | ||
親子してコンビニまでの夕涼み | たか志 | 特選 | さむらい | お父さんはビール、子供はアイス? |
選 | あずさ | ほのぼの感がいいですね。仲良し親子。「失われた幸福」というようにも読めました。 | ||
感想 | 健介 | 何となく“湯上がり”って雰囲気で__いいですね。 | ||
感想 | 藤井 護 | コンビニというところが、いかにも現代的であるが、家を出て子供がアイスでも欲しがったからか、しぶしぶ子供についていくような父親のイメージが浮かんできた。(特選) | ||
夏行きのバスには恋の玉子たち | 子子 | 選 | しるこ | 車を持たない子供達だからこそのバス、ですよね。ワクワク感があふれています。 |
選 | 正明 | このような句には多言無用でしょう。ちょっとTVドラマっぽい感じはしますが。 | ||
感想 | エスプレッソ | 夏を迎え恋の予感に胸を躍らせる若者達の感情が、今風に伝わってくる。 | ||
感想 | 健介 | どうせ俺のは孵ったためしが無いもんね。 | ||
感想 | 藤井 護 | 夏は気持ちも開放的になり、今年こそ彼氏(または彼女)をゲットするぞという若者を見て、昔を思いだして、思わずクスッとしているのかな。 | ||
感想 | 豆獅子 | 恋の玉子という表現がなんか可愛いなと思って。夏といえば、恋愛多発季節ですから・・・。 | ||
感想 | あずさ | 「卵」としなかったのはわざとでしょうか? | ||
夏休み机の下に篭ってみる | かんな | 特選 | 喜誉司 | 僕の家には引きこもりの猫がいます・・・それとは関係なく、夏休みの説明でないいい句です。 |
感想 | あずさ | 受験勉強疲れか。 | ||
感想 | 健介 | “ひとり避難訓練”? ん、何だかこの句よく思えてきたぞ_。 | ||
感想 | 秋津 遥 | 自分が幼い頃、外はぎらぎらと太陽がふりそそいでいるのに、なにかむなしさを感じてこんな気持ちになったことを思い出させてくれました。「夏休み」という躍動的なものとのとりあわせがいいと思います。(特選) | ||
流し目の忘れ形見や夏嵐 | 杜詞 | 選 | ごんた | 夏の恋ですか。ふとしたことから火がついてしまうんですよね。 |
選 | 岡村知昭 | 「杉良太郎特別公演」を思い出してしまった自分が情けない。あえて抒情勝負に出た作者の意気を感じます。季語の選択も申し分なし。 | ||
感想 | 久米仙人 | 「流し目」は、台風の目のことなのでしょう。何度か南の島で台風の直撃に遭った事を思い出しました。もしかしたら『女性の流し目のせいで、嵐のような喧嘩をした』というような意味にも解釈できますが・・・。 | ||
感想 | あずさ | 細川俊之さんの想ひ出? | ||
感想 | 豆獅子 | なんとなく粋な江戸情緒が良かったです。 | ||
無知の知を炎天諭すソクラテス | 喜誉司 | 選 | 榎本 千香 | |
選 | 槇修子 | 受験生、それも大学受験追いこみの夏?それとも、相手の事を理解しているつもりが全然出来ていなくて、良く晴れた日の午後にフラれてしまった夏休み?作者の真意を知りたい。 | ||
感想 | あずさ | 「無知の知」で「ソクラテス」では当たり前すぎるので、どちらか一つにして欲しい。炎天という抗いがたいものに、そのような立派なものを諭されてもなーと、思わないではない。 | ||
感想 | 健介 | そもそも私自身が“無知”な人間のため解釈不能__です。 | ||
夏休み経て来しかひな眩しくも | 志摩 輝 | 特選 | 五十嵐秀彦 | よくある景かもしれないが、子供の頃を懐かしがっている句ばかり見せられた中でやはり「今、眼前」をきっちり押さえた佳句。 |
感想 | あずさ | スケベ心を高尚に言ってみただけのような気も。。。 | ||
息継ぎと引き換えに育つ胃のプール | しるこ | 選 | 凝視 | |
選 | 姫余 | 「・・・胃のプール」。無気味な感じがおもしろかったです。 | ||
感想 | あずさ | 溺れるって。 | ||
感想 | 健介 | 面白く作ろうとし過ぎちゃった、という印象を受けます。“そりゃあ苦労したんですよ”っていうのが伝えられれば、読み手にとっては充分面白い句だと思う。苦労した人って読者の中にもいますからね。“あっもうダメだぁ”って結局プールに立ってしまうその寸前のあのパニックってどんな感じだっけ?と思い出しつつ、《クロールの息が継げないもう飲めない》(“クロール”が夏の季語)というのはどう? とかね_。 | ||
自解 | しるこ | 息継ぎができるようになるのって、そりゃあ苦労したんですよ。で、どうしてもプールの水ばっかり飲んじゃって。胃がチャポチャポしてました。 | ||
主の居らぬ短波無線機夏休み | 正明 | 選 | つーやん | |
選 | 小島けいじ | |||
感想 | あずさ | 機械が主のいぬ間に、じぶんの趣味に走っていたら面白い。 | ||
首だけで笑う人形夏休み | 山口あずさ | 選 | ハードエッジ | |
選 | 一文無 | ミステリアス。夏と怪談話。定番のような気もするが中七と下五の間が不気味さを際だたせている。 | ||
感想 | 健介 | 「首だけで笑う人形」って抜群にいいフレーズだなぁと思うけど「夏休み」が効いてないのがまことに惜しい。作者にベストの季語を探して欲しいです。 | ||
自解 | あずさ | ディズニーランドの風船がかわいいだけに、「首だけ」であることがわたしには怖い。 | ||
人間を分解します夏休み | しぐなす | 選 | たか志 | 休みぼけの感じをこのように詠んだのだと解釈して取りました。が、素の言葉が気にはなります。 |
選 | 杜詞 | 自分という人間を分解する夏休み、と解釈した。素敵です。 | ||
感想 | あずさ | 土葬か? | ||
感想 | 健介 | 猟奇の季節? | ||
セミが鳴き また逃がしたと 我が子泣き。 | さむらい | 選 | 榎本 千香 | |
選 | 川瀬賢二 | アイスを買って帰る家路か | ||
感想 | あずさ | お疲れさまです。一文字開けの意味はないと思います。 | ||
感想 | 健介 | おとうさん一匹でいいから捕まえてあげて、と思わす言いたくなる。この句、こんな風にしてみては? 《娘五歳に泣かれても蝉逃げる》 | ||
感想 | 藤井 護 | 子供がセミとりをしているのだが、まだ幼く(3〜4歳ぐらい?)うまく捕れずにべそかいているのを微笑ましく見ている親。ありがちな、夏の光景である。 | ||
自解 | さむらい | 休暇中、5歳になる娘とはじめてセミとりにいきました。最初は目を輝かせていた娘も、何度も失敗してはセミに逃げられるうちに・・・う〜ん。最初からそんなにうまくはいかないんだよ。 | ||
捕虫網光る風あり逃げる夏 | みずくらげ | 選 | きりこ | 少年の夏。たしかに夏は逃げる。 |
感想 | あずさ | 虫は捕まえようとすれば逃げるもの。句に広がりがない。 | ||
木にのぼりとんびとなれり夏休み | 江戸切子 | 選 | あずさ | さわやかな一句。 |
感想 | 健介 | くるりと輪を描いちゃったらりしたら、それはスゴイ。 | ||
夏休み付和雷同に酔ってみる | (h)かずひろ | 選 | ごんた | |
感想 | あずさ | 夕立の雷雲を思い浮かべました。相手が雷では同ぜざるを得ない。 | ||
感想 | 健介 | そのあとどうなっても知りませんよ_。 | ||
海燃える五右衛門風呂の夏休み | たかし | 選 | (h)かずひろ | 夏休みの躍動的な開放感が上手く表現されていると思いました。 |
感想 | あずさ | 海に夕日が燃え、海辺の古い別荘の五右衛門風呂の窓からその景色が見えるという光景が浮かんだ。行ってみたい。 | ||
感想 | エスプレッソ | 夏の海辺の暑さと、五右衛門風呂の熱さが重なり、夏の温度がストレートに伝わると同時に、夏休みの田舎で過ごす時間の郷愁が、忘れ去られていく五右衛門風呂の存在のつながりが感じられる。(特選) | ||
BLTサンドにとっておきの緑陰 | 白井健介 | 選 | showmaru | なにはともあれお気に入りの場所で食べる昼食は最高だ。それが自分の好物ときた日にはなおの事。 |
感想 | あずさ | BLTサンドを知らないので、何とも。。。 | ||
感想 | いぐいぐ | 単純に好き。「とっておき」という言葉が初々しくて可愛い。 | ||
感想 | 花音 | BLTサンドという素材が新鮮でよかったです。 | ||
両想いの友だちがいる夏休み | 山口あずさ | 選 | しるこ | 夏といえば恋、でしょ。夜店とかで手をつないでる友達カップルをまぶしく眺めたものです。 |
感想 | 健介 | あっしはどうせ引き立て役でぃ。 | ||
自解 | あずさ | 異性の友だちではなく、同性の友だちのつもりだったが、異性のと思われてしまったかな^^;。 | ||
宰相の支持率高し黒日傘 | あき | 選 | 夜来香 | 2001年夏をとてもよく表していています。今年の夏限定ですが。 |
感想 | あずさ | 政治の世界も予測がつかないっすね。 | ||
感想 | 健介 | UVカット効果は高いそうだけど、いまいちお洒落じゃない感じなんだよなぁ「黒日傘」って。 | ||
夏休み年の分だけ休みたい | 俊旬 | 選 | さむらい | 同感。でも子供はかわいそうかも。 |
感想 | さぶちゃ | そうそう! そうです、賛成です(笑 | ||
感想 | 久米仙人 | その通り。これは、社会人になったらみんな実感するのではないでしょか? | ||
感想 | 健介 | “重み”を感じてしまう一句ですね_。 | ||
自解 | 俊旬 | 年を重ねるごとに夏休みが減っていきます。(syunsyun) | ||
どの子にも夏休み来て長き貨車 | つーやん | 選 | 松山たかし | 「長き貨車」はやや理屈っぽい。でも意味ありげでもあって。そこに惹かれました。 |
感想 | あずさ | 貨車というところがたいへん気になる。貨車に積まれて売られてしまうわけじゃないよね? | ||
感想 | 健介 | そこはかとなく惹かれる句なんだよなぁ_。 | ||
坂駈けてゆく合歓の花遠くなる | 五十嵐秀彦 | 選 | しぐなす | 少女が坂を駆け下りてゆく場面を想像しました。次に、合歓の木がある坂の遠景が浮かびました。映画みたいです。 |
感想 | 健介 | 好みのタイプの句ではないけれど“巧さ”が感じられた句。 | ||
感想 | 花音 | 合歓の花のぼんやりとしたはかない感じが出ていていいなと思いました。 | ||
感想 | あずさ | 坂を駆けて行くときに人は後方にある合歓の花を見ないだろう。合歓の花が遠くなることを見ているのは第三者なのか?視線のベクトルの齟齬が気になる。 | ||
青空と格闘していた夏休み | しるこ | 選 | きりこ | 夏空って元気でないと負けてしまうのよね。 |
感想 | あずさ | 元気いっぱいですね。 | ||
感想 | 藤井 護 | 最近の子供が家の中で、ゲームなどをしているのを見て、子供の頃、暗くなるまで外で遊んでいた昔の自分をふと思い出している感じがしました。 | ||
自解 | しるこ | 夏休みといえば、いつも外で遊んでました。透き通るよう青空の下、昆虫を追いかけたりプールで泳いだりと、いつも真っ黒!今では、日焼けを恐れてそんなことができなくなりましたが、あの頃を懐かしく思い出します。 | ||
ぷらぷらとゆかたで散歩 手に携帯 | PARCO ROSSO | 選 | 榎本 千香 | |
感想 | あずさ | 現代ニッポンという感じですね。 | ||
感想 | 健介 | 「散歩」って言うより、浴衣姿の“歩き電話”って感じのあれですね_。 | ||
6時半化粧もおしゃれもない体操 | しるこ | 選 | さむらい | お母さん?のあきらめ感がいいです。でも、子供のころはなんであんなにはりきって体操できたんでしょう? |
感想 | 健介 | “人目”っつうもんが気になる“今”という設定で詠む方が面白いのでは?という気がします。この句を一応参考までに添削するなら《無防備のラジオ体操蝉の殻》でしょうか_。“蝉の殻”が晩夏の季語ですよ。 | ||
自解 | しるこ | 昔は、ラジオ体操に行かされてましたよね。もちろん、ぎりぎりまで寝ていてその辺に出ていたTシャツと短パンはいて、ボサボサの頭で行ったものです。今では「人目」っつうもんが気になりますわね。 | ||
感想 | あずさ | ラジオ体操を青く染めた髪でしてくれたらちょっとカッコいいかも。 | ||
夏休み森の一部は濡れてゐる | 齋藤朝比古 | 選 | 凝視 | |
感想 | あずさ | 部分濡れ俳句はよくあるような気も。。 | ||
感想 | 健介 | よく分かるんだけど、スパイシーな味が好みの私にはやや淡泊過ぎました。 | ||
夏の夜に一人ナイフ見つめていた | 杜詞 | 選 | たか志 | 五六六、あるいは六六六の破型の調子は作者の意図と見ました。アンバランスな感じが出ていていいと思います |
感想 | あずさ | ナルちゃん俳句。 | ||
感想 | 健介 | コレクションの自画自賛に浸っている至福のひととき、できればそういう人だと解釈したい。“アブナいタイプの人”というのではなくて。 | ||
浜辺にて天使の羽をもてあます | 山口あずさ | 選 | 岡村知昭 | 夏といえば海岸。恋だ何だサザンだチューブだとあるわけで、天使の羽もあちらこちらにあるわけ。彼も困るわけです。たくさんあってもね。青春と呼ばれる時期に1回だけ作ることのできるタイプの句ですね。 |
自解 | あずさ | 濡れると重そうな気がしたのです。 | ||
帰りみち白球大事ににぎりしめ | さむらい | 感想 | さぶちゃ | 身に覚えがありますねぇ。。 |
感想 | あずさ | 少年の切なさ。 | ||
感想 | 健介 | 句を読んだかぎりでは“幸運にもホームランボールをナイスキャッチ”ってことなのかな? という感じもしちゃいます。例えば《敗退の野球部のバス西日濃し》(“西日”が晩夏の季語)このあたりから推敲してみては如何ですか。 | ||
自解 | さむらい | 盆休み帰りの高速道路のインターチェンジでその日敗退した高校球児たちを乗せたバスを見つけました。彼らの気持ちと、小学生の時初めて行った甲子園で、親父に硬球を買ってもらった想い出を詠みました。 | ||
遠い日の色と匂いか夏休み | 榎本 千香 | 感想 | 久米仙人 | 拝見した途端、体に入って来る句でした。作者の想いが、そのまま共感できる感じがします。いいですね。(特選) |
感想 | あずさ | モチーフとしてはいいと思う。言葉が硬い。 | ||
感想 | エスプレッソ | 平凡だけれどとても素直に夏休みの情感が伝わる。 | ||
光る海波と戯れ君は夏色 | 槇修子 | 感想 | 健介 | 素敵な思い出でうらやましいっス。 |
自解 | 槇修子 | 良く晴れた日、太陽に照らされて光る海。波乗りしようと何度も試みる彼は、波に弄ばれているようだ。そして太陽に照らされ続け、褐色の肌になる・・・それを浜辺で見ている私。 | ||
自解 | 槇修子 | 太陽に照らされてきらきら光る海。サーフィンをする男の子は上手く波に乗れたり乗れなかったり。まるで波に遊ばれているよう。一日遊んだ後すっかり褐色に焼けた肌が夏の思い出。 | ||
感想 | あずさ | 広告コピー? | ||
蜻蛉の羽よりうつつすり抜けて | 夜来香 | 感想 | あずさ | 蜻蛉の羽を通して観た世界。 |
感想 | 健介 | 昆虫の「羽」には、よりこだわって“翅”を用いるというのは如何ですか。 | ||
自解 | 夜来香 | 夏休みは八ヶ岳のキャンプ場でテントを張って過ごしました。蜻蛉の羽にしげしげと見とれてしまいました。 | ||
鷺草をデジカメで撮る夏休み | ちぐれ | 感想 | あずさ | 夏休みの宿題も進化していますね。 |
感想 | 健介 | 「デジカメ」と略さず、なるべく“デジタルカメラ”と言うべきというのがわたしの意見です。また、「夏休み」が晩夏の季語、「鷺草」が初秋の季語ですからこの句の場合には「夏休み」を削ってみて、もうひと工夫何か出来そうですね。 | ||
夏休みの空はしずかに腰つかう | 凌 | 感想 | あずさ | 妄想のし過ぎのような気も。。 |
感想 | いぐいぐ | 上手に出来ている句なら他にも沢山あったけれど、全て読み終わった時、一番胸に引っ掛かっていたのはこの句だった。「夏休みの空」という爽やかで健康的な言葉の後に「腰つかう」というエロティックな響きの言葉を持ってきたところが、一見アンバランスでとても印象的。漢字と平仮名のバランスもいい。(特選) | ||
砂浜と写真に残る夏の跡 | 川瀬賢二 | 感想 | 健介 | その「夏の“跡”」っていうのが何なのか、具体的に言って欲しかったです。 |
感想 | あずさ | 写真はともかく、砂浜の夏の跡は波に消される。もし残っているとするとプラスチックゴミなどの夏の残骸か? | ||
月高くかかり木立のシルエット | 宮川恵遊 | 感想 | あずさ | というようなモチーフで一句詠んでみよう。 |
感想 | 健介 | 山口誓子先生は俳句は原因だけでいと説かれ、石田破郷先生は俳句は結果だけでいいと説かたそうな。つまり、いずれにせよ全部言い尽くしちゃうのはダメ、ということ(難しいのだが)。この句には原因も結果も入ってしまっている感じで、そこが惜しい。 | ||
ごろごろと腐り朽ち果て白き骨 | 喜誉司 | 感想 | あずさ | 上五中七まで読んだ段階で、「白桃」を思い浮かべた。敗戦句だったのだろうか? |
感想 | 豆獅子 | 暑い夏に誰でも一回は、こういう状態になりませんか? | ||
三十の皮膜を捨てる夏休み | 一文無 | 感想 | あずさ | 六十だろうが、八十だろうが、捨ててしまいましょ。 |
感想 | 健介 | 「三十の皮膜」って、私にはよく分かりませんでした。 | ||
夏休み鍵かけてみるビル正門 | 子壱 | 感想 | 正明 | よくわかる風景だけど、もう一つ何かが加わらないと苦しいかな、と。 |
感想 | あずさ | いつも見ているビルが全く違ったものに見える瞬間。 | ||
子を捨てて愛人と過ぐ夏休み | 水月 秋杜 | 感想 | あずさ | 哀し過ぎ。 |
感想 | 健介 | 「愛人と」いっしょに子を虐待っていうのよりは「捨て」る母親の方がまだ“まし”なんでしょうかねぇ? | ||
自解 | 水月 秋杜 | 近ごろは鬼畜な親が多い気がする。 | ||
萌えいずる馬のたてがみ投資欲 | PARCO ROSSO | 感想 | 健介 | 私が貧乏のせいなのか、「投資欲」といういのがぴんとこなかった。あっ、それとも単純に“競馬”? |
感想 | あずさ | 全財産を失わないように気をつけてね。 | ||
街灯の渦中心にをり夏休み | 子壱 | 感想 | あずさ | 街灯りの渦とは、都会にいることに疲れた心象風景のような気がするが、夏休みに家出して歌舞伎町にいるというようなことなのだろうか? |
今年こそ 独身最後の 沖縄か | 石井 泰 | 感想 | あずさ | 結婚相談所の広告コピー。五七五の間の一文字空けは効果がない。 |
自解 | 石井 泰 | 毎年、会社の夏休みを利用して、沖縄の久米島に行っている。30歳の夏から毎年行っている。向こうに、顔馴染の人ができてから「もう、来年は、一人じゃ来られないかも知れないから・・・」などと言っている。『今年こそが独身最後の夏休みかも知れない』みたいなことを言っている。それが、何年も続いている。 | ||
蝉捕りし夢の続きに魘される | 喜誉司 | 感想 | あずさ | 魘される難しい字ですね。辞書引いてしまいました。うなされる。蝉を捕っていたつもりが、いつのまにか蝉に捕獲されてしまったとか。 |
感想 | 健介 | その「夢の続き」がどんなふうだったのかを知りたいです。 | ||
神の島はやぶさ丸の行くところ | たかし | 感想 | 岡村知昭 | なかなかなものでした。 |
感想 | あずさ | はやぶさ丸にまつわる物語が何かあろうのだろうか? | ||
気がつけば残り少なく夏休み | やっしー2号 | 感想 | あずさ | で? |
感想 | 健介 | 誰にとっても大抵そういうふうだから、つまり常識的であり過ぎますかね。 | ||
夏期休暇二泊3日の球ほうる | 凌 | 感想 | あずさ | 二泊が二で、3日が3なのはなぜ? |
縁側で ひとり西瓜に 夏休み | 石井 泰 | 感想 | あずさ | 縁側にひとり西瓜という妖怪がいる夏休みと解釈すると面白いかも知れないが、かなり無理がある。。。一文字空け意味無し。 |
感想 | 健介 | “全ての事を盛り込”もうとしなければ意外と困難は避けられるように思います。例えば《縁側にひとり西瓜の種飛ばす》(“西瓜”が盛夏から初秋にかけての季語)など、いろいろ推敲していけるはず__ | ||
自解 | 石井 泰 | 子供の頃の情景。まだクーラーの無い頃、実家の縁側に座って西瓜を食べている。庭に種を飛ばして、その種に蟻がたかったりしているのを思い出して一句。五・七・五に、全ての事を盛り込むのは困難であった。 | ||
はらからの手の冷たさよ夏の海 | 岡村知昭 | 感想 | あずさ | 海に入って冷えたのですね。きっと。 |
感想 | いぐいぐ | 「手の冷たさ」が「はらから」きている、という視点が面白い。「夏の海」という言葉から、暑さよりも涼しさを感じるのがいい。 | ||
住宅地今日が最後の子らの夏 | 榎本 千香 | 感想 | あずさ | 人類が滅亡するのでしょうか? それとも夏休み最後の日? |
青空に8月は60日有れよと月半ば | PARCO ROSSO | 感想 | あずさ | 賛否両論ありそうな。 |
感想 | 健介 | 「60日」とはずいぶん大きく出たもんですなぁ。 | ||
夏休みガードの下に書いてある | ハードエッジ | 感想 | あずさ | 冬に見つけたらかなりわびしい。 |