第四回Hi! ku City選句結果 |
7点句 | ||||
知らざりし国の映画や社会鍋 | 正明 | 特選 | しぐなす | 「社会鍋」で初めてハマった句になりました。「東欧諸国」って感じがします。 |
特選 | 草もち | マイナーな映画を見るといえば、岩波ホールあたり。救世軍の本営のすぐ近くだ。 | ||
特選 | つーやん | |||
選 | ぶう | |||
感想 | 齋藤朝比古 | 社会鍋は切な過ぎるなぁ。作者は上手い人。 | ||
感想 | 山口あずさ | 社会鍋ってそういえば映画的な気分があるかも。 | ||
感想 | 白井健介 | 「社会鍋」がどう効いてくるのか、そのへんが曖昧か。 | ||
冬銀河なお決まらざる捨て台詞 | 岡村知昭 | 特選 | showmaru | 決め台詞を放つタイミングは難しいものだ、なにもかも一言に詰め込もうとすれば余計に。 |
選 | 風狐 | 役者も大変でしょうが、スタッフも大変です。 | ||
選 | 五十嵐秀彦 | いつまでも決まらない捨て台詞ってのはカッコ悪い。そこが良い。 | ||
選 | 正明 | ちょっと類型的かな、とも思うのですが、主人公の心持ちには共感を覚えるので。 | ||
選 | 白井健介 | 「決ま」ったにしてもいざという時には言い損じたりしてねぇ……あぁ〜ぁ…。 | ||
選 | 江戸切子 | 凍てつく空気の中での「捨て台詞」が決まっている | ||
感想 | 山口あずさ | 「なお」って、どういう意味で遣ったのだろう。広辞苑を引いてみたが、ますますわからなくなった。 | ||
溜息をエレベーターに棄てて冬 | 白井健介 | 特選 | 子子 | この潔さは好き! |
選 | しぐなす | 白い息が見えるようです。 | ||
選 | 草もち | わたしの職場は3階。玄関からエレベーターで上がる間に、毎朝自分の気持ちを入れ替えます。そんな感じ? | ||
選 | 齋藤朝比古 | エレベーターを出たら元気を出そう。 | ||
選 | 美峰 | サラリーマンの冬景色といった感じでしょうか? | ||
選 | 江戸切子 | |||
感想 | 山口あずさ | これから会議ってところでしょうか。 | ||
6点句 | ||||
水色の軍艦眠る森の秋 | 松山たかし | 特選 | 江戸切子 | シュールな絵のような一句 |
選 | 子子 | 森に軍艦ってとこが謎だけど、ビジュアル的に綺麗! | ||
選 | 正明 | 風景として色彩が面白いです。 | ||
選 | (h)かずひろ | ニュージャージーは死なず、ただ消え行くのみ。 | ||
選 | 岡村知昭 | 幻想が強い、まるで前衛的な映画みたい・・・ | ||
感想 | 山口あずさ | メルヘンの中に出てくる軍艦? | ||
感想 | 白井健介 | どういうふうなイメージなのか私にはちょっと浮かばなかったのです。 | ||
自解 | 松山たかし | 「千と千尋」を観ていてふとイメージしてしまいました。直接には映画とは関係ないかもしれませんが、映画の効用ってこんなところにもあるみたい。 | ||
人生をひとつ終えてる2時間後 | ごんた | 特選 | ぶう | |
特選 | 山口あずさ | 映画を見た後の実感ですね。秀句だと思います。 | ||
選 | 美峰 | この後に「映画って本当にいいですよねぇ」と付け足したいです。 | ||
選 | にゃん太 | 映画を見たあとは、ちがう世界にいるような感覚があってその雰囲気がよく出てる。 | ||
感想 | 白井健介 | “映画”がテーマであることを知らない人が読んだとしたら解釈困難であろうと思うので、その点が弱いですよねぇ…。 | ||
自解 | ごんた | ”アラビアのロレンス”を観た時におもったことです。 | ||
時雨るるや武蔵野館とダダの死と | 五十嵐秀彦 | 特選 | 正明 | 新宿に対するある種の思い入れがあると、いい句に見えるのではないかな、と思います。例えば綺麗になる前の新宿南口東側の雰囲気を思いつつ選んでみました。 |
特選 | (h)かずひろ | 独歩は遠くなりにけり。 | ||
選 | 子子 | ダダって単語はずるい! と言いつつ選んでしまう私。 | ||
選 | 松山たかし | うーん。見事なくらいに役者が揃っている。盛りだくさんともいえるかも。とにかくこころ惹かれる句である。 | ||
感想 | 喜誉司 | ダダとかに弱い自分を発見!?? | ||
感想 | 山口あずさ | のすたるじーでしょうか。 | ||
感想 | 白井健介 | 「ダダの死」ってあのウルトラマンの? 違いますか? う〜ん…… | ||
聖樹灯りユダになろうか紅引いて | 江戸切子 | 選 | (h)かずひろ | ピアスの片方は失くすためにあるのかも・・・ |
選 | しぐなす | 鈴木しづ子かと思った。「ユダ」にホレました。 | ||
選 | 松山たかし | 聖樹に集まる人がみんな紅引いていたりして・・。仕掛けは単純にみえるが中身は濃い。 | ||
選 | 子子 | うーん、複雑なドラマをを知りたいような、知りたくないような。 | ||
選 | 草もち | オンナのカワイイ嘘を思い浮かべました。 | ||
選 | 白井健介 | 内容が好きです。が、《聖樹の灯(ひ)ユダになろうか紅を引き》とする方が好いのでは、と私は思います。 | ||
感想 | 山口あずさ | ユダに紅を引くという逸話がなにかあるのでしょうか? それとも口紅つけて浮気? | ||
名画座に傘置いたままいなくなる | 凌 | 特選 | 松山たかし | 「置いたまま」が不思議さをつくっている。主語は観客のひとりであろうが、その人は「名画」の中に消えていった?そんなイメージの広がりを感じる。 |
選 | 正明 | 句の世界は一番好きなのですが、季語がないので特選にはしませんでした。 | ||
選 | 風狐 | 状況がよくわかりません。たんなる忘れ物だったりして。 | ||
選 | 江戸切子 | 雨がやんで忘れていったのか、それとも映画の中に消えていったのか... | ||
選 | かんな | |||
感想 | 五十嵐秀彦 | いなくなったのは誰?作者か、それとも。 | ||
感想 | 山口あずさ | だれかが傘を忘れていっただけなのか。それとももっと深い意味があるのだろうか。 | ||
感想 | 白井健介 | う〜ん…これだけではその物語性を表現しきれていないですよねぇ…。 | ||
4点句 | ||||
カチンコの響き渡りて冬に入る | 一文無 | 選 | 齋藤朝比古 | シンプルなつくりがいい。古き良き時代の匂い。 |
選 | 美峰 | 修学旅行の太秦撮影所を思い出しました。 | ||
選 | 松山たかし | 撮影所やスタジオの冬はまさにこんな感じ。底冷えがぐんぐんせまるんだよね。(仕事柄よくわかります) | ||
選 | かんな | |||
感想 | 山口あずさ | カチンの駄洒落感が惜しい。 | ||
感想 | 白井健介 | もうひと捻り欲しい感じも…でもとても気分の良い句です。 | ||
月薄く昇る横浜オデヲン座 | しぐなす | 特選 | 白井健介 | 「月薄く」の措辞、「横浜」という地名、「オデヲン座」という固有名詞、すべてにそつがなく、たいへん感心いたしました。 |
特選 | 岡村知昭 | 形の美しさに一票 | ||
感想 | 雷太 | オデヲン座はどんな映画館か知りません。しかし、その映画館(おそらく名画館なのでしょう)が横浜の街でひきたっているような・・・・・素敵な気分になる句です。 | ||
感想 | 正明 | <懐手して西陣の映画館>と並んで、固有名詞が効いています。 | ||
感想 | 山口あずさ | 「薄く昇る」がいい。 | ||
名画座の幕の年月しぐれけり | かんな | 特選 | にゃん太 | きれいな句だと思う。冬っぽい。 |
特選 | 風狐 | 古くなった幕に歳月が感じられます。時雨が良い雰囲気を出していますね。 | ||
感想 | 山口あずさ | 幕が黄ばんできたというようなことなのだろうか。(そんなわけないか。) | ||
感想 | 白井健介 | 「しぐれけり」はやはり屋外を意識させる季語だけに、どうかなぁ…という感じがします。 | ||
3点句 | ||||
雪催ひ任侠映画館にベル | 齋藤朝比古 | 選 | 正明 | 好きな風景。このままだと視線が落ち着かないので、ベルと映画館の順番を入れ替えては、と思うのですが如何。 |
選 | つーやん | |||
選 | しぐなす | 「任侠」にホレました。 | ||
感想 | 山口あずさ | もう一ひねり欲しい。 | ||
感想 | 白井健介 | 「ベル」より<ブザー>ってイメージがあるんだけど、それって私の思い違いですかねぇ? まぁこの句では遣い難いですけどね…。 | ||
クリスマス「大人1枚」告げし人 | showmaru | 特選 | 美峰 | 同じようなことを詠みたかったのですが、私の句よりこちらの方が全然よいと思いました。 |
選 | 風狐 | さみし〜(笑)<映画とかひとりでみてるクリスマス>と類句だけど、こっちの方が良いです。 | ||
感想 | 山口あずさ | 一人でも楽しめる大人でありたい。 | ||
感想 | 白井健介 | 私なんてそれがふつうだから何とも思わんもんね……くぅ〜何でいッ。 | ||
懐手して西陣の映画館 | 草もち | 選 | しぐなす | 「西陣キネマ」とかあのへんでしょうか。栄えていた時期もあるようですが、今は昔ですね。「懐手」との取り合わせが絶妙だと思いました。 |
選 | 五十嵐秀彦 | 「懐手」という季語が良い。「西陣」というのは更に良い。 | ||
選 | 岡村知昭 | 姿がはっきり見える、そこをそのままととるか、楽しむかですね | ||
感想 | 正明 | <月薄く昇る横浜オデヲン座>と並んで、固有名詞が効いています。選びたかった句。 | ||
感想 | 山口あずさ | 西陣に映画館があるのでしょうか。きっとあるのでしょうね。映画って見る場所によって、雰囲気が違うようです。 | ||
感想 | 白井健介 | なるほど、という魅力がある句。 | ||
自解 | 草もち | 学生時代を京都で過ごしたのですが、西陣あたりにはロードショー館はなく、古い映画を3本立てくらいでやってるところばかりでした。安かったので何度か行きましたが、なんとも場末感漂う映画館でした。 | ||
飛行機のときどき墜ちて本日も晴天 | 山口あずさ | 特選 | かんな | |
選 | 松山たかし | 日常の一面がさらりとよめている。下の字余りに意味を感じなかったので特選におせなかった。「晴天」で止めてもよかったのでは・・・。 | ||
感想 | 白井健介 | そうっすね。 | ||
自解 | 山口あずさ | 飛行機が墜ちてもあまり大きく報道しなくなったような気がする。意図的であるような気がしてしまうのは考え過ぎか。 | ||
映画館出るとお囃子酉の市 | 美峰 | 選 | 五十嵐秀彦 | ああ、良いですね。映画は「小津安二郎」でしょうか。 |
選 | ぶう | |||
選 | 白井健介 | 「出ると」は<出れば>の方が好いような感じがします。 | ||
感想 | 山口あずさ | 実体験っぽい句ですね。 | ||
自解 | 美峰 | 11月30日は3の酉の日でした。渋谷の東急会館をでたときの状況そのままです。 | ||
雪降れる夜の十八歳未満 | 齋藤朝比古 | 選 | 五十嵐秀彦 | この「十八歳未満」という言葉は不思議と普遍的ですネ。 |
選 | showmaru | 雪の中、少年以上青年未満は隠密裏に進軍せるや。 | ||
選 | 岡村知昭 | 実は何も言っていない、そこがよろしい | ||
感想 | 山口あずさ | 十八歳未満というだけで、ポエムですね。 | ||
感想 | 白井健介 | 「十八歳未満」がどうだってことなんでしょうか? | ||
くさめしてさらばレーニン毛沢東 | 江戸切子 | 選 | 草もち | 「くさめ」と言う古い言葉と同様に、レーニンも毛沢東も古びてしまった。 |
選 | 小島けいじ | |||
選 | 岡村知昭 | ブッシュにも言ってやりたい | ||
感想 | 齋藤朝比古 | 確かに冬です。 | ||
感想 | 山口あずさ | 語呂がいい。ただ今このとき詠む句かどうかと考えてしまうと、タイミングがかなりずれているような気もする。ちなみに、わたしが俳句に出会った最初のきっかけは「コミュニズム水で割ったらイタリアン」(江里昭彦作)という句だった。 | ||
感想 | 白井健介 | 正直なところ、この句を充分に鑑賞できるだけの知識は私には無いです、恥ずかしながら…。 | ||
自解 | 江戸切子 | 20世紀の偉大なる神話。でもこれなくして民族解放、植民地独立はなかった。「くさめ」の漢字がでない... | ||
落石のごとき広島弁寒波 | しぐなす | 特選 | 五十嵐秀彦 | 広島弁?「じゃけん」ぐらいしか知らないが、「落石のごとき」とは面白い。 |
選 | 小島けいじ | |||
感想 | 正明 | 内容もリズムの崩し方も面白い句。問題は広島弁が「落石のごとき」かどうかですね。そこに確信が持てないので選びませんでした。 | ||
感想 | 山口あずさ | 「○○じゃけん」の「けん」は拳かも。 | ||
感想 | 白井健介 | 「落石のごとき」という感じ、確かに「広島弁」にそういう雰囲気ってあるなぁ…そんなふうなのばかりってことはもちろんないでしょうけど。 | ||
コスモスの淋しい脚よ優作よ | 松山たかし | 特選 | 齋藤朝比古 | なんじゃコリャ!は衝撃でした。意外となよっとしてました、優作の脚。 |
選 | ぶう | |||
感想 | 山口あずさ | コスモスというのは確かに不安定な様子で咲いている。優作さんとコスモス。どんなもんでしょう。 | ||
感想 | 白井健介 | 「淋しい」なんて、それを言っちゃあおしまいよ、では? | ||
自解 | 松山たかし | 映画といえば松田優作だよね、やっぱり。 | ||
2点句 | ||||
消息は分からぬと言ふ林檎剥き | 五十嵐秀彦 | 選 | にゃん太 | 冬に家の中で、暖かい部屋で、くつろぐ家族が目に浮かぶ。 |
選 | 江戸切子 | テロの犠牲者を思います | ||
感想 | 山口あずさ | 林檎独特の不安感が表れている。 | ||
感想 | 白井健介 | ひとまず<消息は分からぬと言て林檎剥く>とする方が自然か。あるいは、<林檎剥く消息は分からぬと言ふ>とするのが好いように思いますが。 | ||
闇汁に靴も入れよかチャップリン | つーやん | 選 | 美峰 | ドタバタした滑稽さがにじみでている気がしました。 |
選 | 風狐 | 食べるときにはナイフとフォークでね☆ | ||
感想 | 雷太 | 先日チャップリンの「街の灯」ビデオでみました。白黒の映画の場面がこの句と重なりこの句をいただきました。 | ||
感想 | 白井健介 | 句に詠むのは宜いのですが、今の時代に「闇汁」なんて決してやってみようなどと思ったりしてはいけませんよ……ですよねぇ、あずささん。 | ||
感想 | 山口あずさ | 連想ゲームのような句。わたしは、闇汁に苦い思い出がある。 | ||
斬られ役天狼星を告げわたる | 岡村知昭 | 選 | (h)かずひろ | シリウス・・・ということは新春ロードショー? |
選 | 山口あずさ | 「天狼星を告げる」にまつわる何かがあるのでしょうか?なんとなくかっこいい。 | ||
感想 | 白井健介 | 私にはじゅうぶんな鑑賞が出来ない句でした。申し訳ない。 | ||
映画とかひとりでみてるクリスマス | 美峰 | 選 | showmaru | とかがいいですね。自分を俯瞰して見つめている作者のやさしさが表れていて。 |
選 | 子子 | 「とか」と言ってしまうところが、クリスマス。。。 | ||
感想 | 正明 | 「映画とかぁ」という感じでしょうか。その投げやりな感じがもう一つ出るともっとおもしろいと思います。 | ||
感想 | 齋藤朝比古 | 俳句的に出来ているのは<クリスマス「大人1枚」告げし人>かな。でも諧謔という意味ではこちらです。ただ、川柳の世界ではかなり詠われている世界。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | 「とか」って・・・? | ||
感想 | 山口あずさ | 今年はいかがでした? | ||
感想 | 白井健介 | 「映画“とか”」っていうこの言い回しですが、会話の中での場合そういう言い方をしたい気分とうのが何となく理解できるんですけど、詩歌の中で遣うのには現時点では抵抗を感じてしまいます、私としては。 | ||
子役らのじゃんけんぽんや日短し | 草もち | 選 | 齋藤朝比古 | 子供と子役では大きな違い。子役と日短しは絶妙の配合。 |
選 | 山口あずさ | 子役ができるのは一瞬ですよね。 | ||
感想 | 白井健介 | 下五の「日短し」ですが、<日短か>と表記し、下五(または上五)に据えて(ひ、みじか)という読み方をする例も割合に多いです。この句の場合にもそのようにしては如何でしょうか。それにしても演出家が下手ってことなのか甘やかされているからか日本の子役って芝居の下手なのが多い感じでそのくせ変に生意気なのがこのごろやたらと目につく、ってきっと私の偏見ですね…。 | ||
自解 | 草もち | 撮影のスケジュールは大スターを中心に決められますから、子役さんたちはあっちこっちで待ち時間ばかりできてしまいます。 | ||
小春日や手書きの字幕ゆらめきぬ | 一文無 | 選 | 齋藤朝比古 | いかにも小春日らしい。「ゆらめく」は緩んだ表現と思う。 |
選 | 山口あずさ | 手書きの字幕!いいです。 | ||
感想 | 喜誉司 | 字幕は観るときは邪魔ですが、一度字幕翻訳に挑戦してみたいです。 | ||
感想 | 白井健介 | 「や」という強い切れ字ですので<ゆらめいて>のように軽く流す結び方の方が宜いと思います。でも「小春日や」とくると、どうしても屋外を強く意識しがちな季語だけにその点が引っ掛かります。以前の字幕のあの字体には味わいがあったよなぁ…と懐かしむ私です。 | ||
1点句 | ||||
炉火ながむ瞳孔深く夜を刻む | (h)かずひろ | 選 | にゃん太 | 冬に、ぼんやりと遠くを眺めるかんじがよく出ている。 |
感想 | 五十嵐秀彦 | どうも韻がしっくり来ない。「む」(mu)、「く」(ku)、「む」(mu)が問題か。 | ||
感想 | 山口あずさ | 「ながむ」と「瞳孔」と見ることに関係する言葉が二つ出てくるのは一句の中ではもったいない。 | ||
感想 | 白井健介 | う〜ん…ちょっと欲張り過ぎてパーツを詰め込みすぎの感じかなぁ…特に「ながむ」「刻む」という動詞の片方を削ると好いように思うんですけど…。 | ||
短日や赤白帽はリヴァーシブル | つーやん | 選 | 白井健介 | この句の場合にも<日短か>と表記し、上五(または下五)に据えて(ひ・みじか)というふうに読ませるようにする手もあるので検討してみては。確かに「リヴァーシブル」ですよねぇ、うん…。 |
感想 | 山口あずさ | 何を意図しているのかが見えない。 | ||
自解 | つーやん | エロ映画の擬似タイトル俳句です。当季でなくてスミマセン。やらしっぽくなりましたでしょうか。 | ||
木枯しに舞いしポスター“Shall we dance?” | showmaru | 選 | つーやん | |
感想 | 五十嵐秀彦 | どうもポスターってやつはいつでもどこでも木枯しに舞っているようで・・・ | ||
感想 | 山口あずさ | “Shall we dance?”は評判のいい映画だそうが、興信所(?)を雇う妻や「お母さんと踊って」とのたまう娘が、わたしには妖怪に見える。 | ||
感想 | 白井健介 | ちょっと“見え見え”な感じになってしまったか。 | ||
帰り花おしゃれ泥棒恋に落ち | おけら | 選 | つーやん | |
感想 | 山口あずさ | 「帰り花」に特別の意味があるのか? | ||
感想 | 白井健介 | 譬えて言えば、ちょっと私の胃にはもたれる感じの句、好みの点で。 | ||
銀幕の少年追ひし目が女 | 風狐 | 選 | 小島けいじ | |
感想 | 山口あずさ | 句意がちょっと混乱している。観客であるじぶんが銀幕の少年を目で追っていて、その目が思いっきり女しているととればいいのだろうか? それとも、その女というのは銀幕の中にいて少年を追っている目を演じている女優なのか、あるいはホモセクシュアルの男優ということなのか。 | ||
感想 | 白井健介 | こういう人ちょっと、いや、かなりコワイ…。 | ||
ヒーローは、絶対最後に生き残る | にゃん太 | 選 | 小島けいじ | |
感想 | 風狐 | 必ずしもそうとは限りませんけどね (^_^;) | ||
感想 | 山口あずさ | ですね。ですから、そのようなことを句に詠んでみては。 | ||
感想 | 白井健介 | まぁその傾向はありますよね。『探偵物語』の終わりの方って相当に無茶苦茶な「生き残」り方だったけど… | ||
やるせない猫の夕暮れあいうえお | 子子 | 選 | 山口あずさ | 猫本人(本猫)が「あいうえお」と言っている姿が目に浮かんだ。 |
感想 | 喜誉司 | 猫の夕暮って比喩はてっても悲しいですね。 | ||
感想 | 白井健介 | う〜ん……やるせないです…… | ||
風花や工場のやうな撮影所 | 齋藤朝比古 | 選 | つーやん | |
感想 | 山口あずさ | 見たまんまのような気がする。 | ||
感想 | 白井健介 | 「撮影所」に「風花」というのはとても佳いと思うが「撮影所」に「工場のような」という直喩はいまひとつ意外性に欠け、効果薄であったか。 | ||
カレーコロッケ10円高し冬うらら | 白井健介 | 選 | showmaru | ふつうのコロッケでもいいや、こんな穏やかな日が続くなら。 |
感想 | 喜誉司 | カレー味の分10円高いんだろうか、それとも10円値上がりしたのか・・・。冬うららという語感、気に入りました | ||
感想 | 山口あずさ | 為替相場みたいなコロッケだ。小判型に違いない。 | ||
霜月や中躊躇なく討つ主人公 | 小島けいじ | 選 | かんな | |
感想 | 山口あずさ | 今時、勧善懲悪じゃぁねぇ。 | ||
感想 | 白井健介 | どんな「主人公」なのか、もう少し具体的な手掛かりを示して欲しいです。 | ||
大根煮るお鍋の胴のゆたかなる | おけら | 選 | かんな | |
感想 | 山口あずさ | とても幸せそう。 | ||
感想 | 白井健介 | 「お鍋の腰のゆたか」とはどういうことなのか分からないが、気になる表現ではありますねぇ……う〜ん… | ||
初雪来肌一枚の光り影 | 五十嵐秀彦 | 選 | (h)かずひろ | 先斗町の初雪も富士山の初雪も肌一枚。 |
感想 | 山口あずさ | スクリーンを肌一枚と詠んだのだろうか?肌一枚が何を意味しているのかが不明。 | ||
感想 | 白井健介 | 「光り影」という表記からは“光っている影”というふうな印象を受けるのですが、そういう解釈でいいのかな? | ||
角錐の光凍てつき映写室 | showmaru | 選 | ぶう | |
感想 | 山口あずさ | 「角錐の光凍てつき」で、下五を何か他の語にしてくれたら採った。 | ||
感想 | 白井健介 | 「角錐」というのがぴんとこなくて私にはよく解りませんでした。 | ||
ア・カペラのドラムの真似も冬隣 | つーやん | 選 | 草もち | 唾、飛ばしてます。 |
感想 | 山口あずさ | ドラムの真似をア・カペラでするということでしょうか?見てみたい。 | ||
感想 | 白井健介 | これって昔ほんの一時期テレビでも見かけた“人間カラオケ”とは違うんですよねぇ? やっぱり… | ||
0点句 | ||||
フィルムの一齣焼けてクリスマス | 正明 | 感想 | 山口あずさ | ニューシネマパラダイス |
感想 | 白井健介 | 「一齣」で済んでよかったぁ…って感じかも… | ||
自解 | 正明 | 最近はフル・デジタルでフィルムをまったく使わないで製作される映画も増えているようですね。 | ||
道すがら、冷たい北風髪そよぐ | にゃん太 | 感想 | 五十嵐秀彦 | なんだこの「、」は? |
感想 | 山口あずさ | 体験したまんまのような気がする。 | ||
感想 | 白井健介 | 「冷たい北風」に「そよぐ」という表現はそぐわんでしょ。 | ||
激突の部分にぼかし 映倫 | 山口あずさ | 感想 | 白井健介 | 「映倫」なんちゅ〜アホはほっとけッ、なんて言ったら叱られるかな…。 |
自解 | 山口あずさ | ビルの崩壊シーンの放映自粛で一句詠んだ(つもり)。 | ||
毛布まといアマチュア女優の大あくび | (h)かずひろ | 感想 | 五十嵐秀彦 | あ、いい句だ、と思ったのですが、中八のリズムの悪さが気になった。 |
感想 | 山口あずさ | あまり見たくない。 | ||
感想 | 白井健介 | 「アマチュア女優」という“括り”を認めるべきであるようには思わないんですよねぇ…私は。“女優”は“女優”であるだろうと。 | ||
いきばてし人も混じりて日向ぼこ | 江戸切子 | 感想 | 山口あずさ | 「いきばてし」って、「生き果てし」なのだろうか?「息が果てし」なのだろうか? よくわからないが、故人となった俳優が日向ぼこシーンに出演していたということだろうか。 |
感想 | 白井健介 | 「いきばてし人」とは“生きることにばてた人”ってことなのか?少々無理な感じのする表現ですが…。あるいはそうではないのか? | ||
赤蝮蛇美肉処女妻淫ら責め | しぐなす | 感想 | 山口あずさ | ご苦労様っす。 |
感想 | 白井健介 | う〜ん…やっぱりこの手の作品は別個の部門を創設することが急務ですよね。カテゴリーもこの句のような<エロ映画>系、<AVタイトル>系、<フランス書院・グリーンドア文庫書名>系等々…自由律もあり、とかね。 | ||
予告編からはや涙して聖夜 | 白井健介 | 感想 | 山口あずさ | 涙腺が弱すぎるのか。 |
肝っ玉母さんばかりのふかし芋 | おけら | 感想 | 山口あずさ | 「肝っ玉母さん」同士ってきっと仲がいいんでしょうね。 |
感想 | 白井健介 | つまり「ふかし芋」をそう見立てたということなのか? | ||
ぴあに丸つけて楽しや昼休み | 美峰 | 感想 | 山口あずさ | OL実体験そのまんま俳句。 |
感想 | 白井健介 | ちょっと当たり前過ぎか。ちなみに<ぴあに○つけて>として“○”に“まる”とルビをふる手もあると思います。 | ||
女優なる輝き放つ妻の過去 | 風狐 | 感想 | 山口あずさ | 元女優の妻。ちょっと嘘吐きだったりして。 |
感想 | 白井健介 | 心中複雑なのではないでしょうかねぇ……もし私だったら… | ||
翼受け天に戻るか...夢子猫 | 子子 | 感想 | 山口あずさ | 子猫には淡い思い出夢うつつ |
感想 | 白井健介 | 句の姿がどうこうというのはともかく、とにかく心情お察しいたします。 | ||
自解 | 子子 | すいません、6ヶ月の子猫が余命1,2ヶ月と宣告されてしまい。。。猫句だけです。 | ||
伝説の大剣劇やずわい蟹 | 正明 | 感想 | 喜誉司 | ずわい蟹って足が長いですよね。食べてっていってるみたいに。 |
感想 | 風狐 | こちら(鳥取県)では松葉蟹といいます d(^_^;) でも、長いこと食べてないぞ(苦笑) | ||
感想 | 山口あずさ | ずわい蟹と大剣劇、はまりすぎかも。 | ||
感想 | 白井健介 | この「ずわい蟹」は効いてないのでは? | ||
フイルムの穴に秋が写っていた | 草もち | 感想 | 風狐 | 穴? 穴には写らないでしょう? |
感想 | 白井健介 | 「穴に」は写らないのでは?やっぱり…でもなぁ…? | ||
感想 | 山口あずさ | 「映る」ではなく、「写る」ということは、映画のフィルムを編集している最中に、サイドの穴から窓の外の紅葉が見えたというようなことでしょうか? 芸が細かいと言うか、細かすぎると言うか。。。 | ||
銀幕に映し出された母の笑み | 風狐 | 感想 | 山口あずさ | 母は女優だったのですね。 |
感想 | 白井健介 | う〜ん…そういう立場で(映画を)見るって特殊な感慨だろうなぁと思う。 | ||
むらさきや、青の冬空背にしみる | にゃん太 | 感想 | 五十嵐秀彦 | なぜ「、」で切る? |
感想 | 山口あずさ | 「むらさき」が何を意図したものか。 | ||
感想 | 白井健介 | 「冬空」が「背にしみる」という表現はなかなか斬新でいいですよね。 | ||
自転車を持ち上げてみる…スーパーマン! | ぶう | 感想 | 山口あずさ | す・て・き。(?) |
感想 | 白井健介 | 「スーパーマン」にご登場願うようなことでもないようですけど…。 | ||
ぬくぬくの音が聞こえる冬の蔵 | 松山たかし | 感想 | 白井健介 | 「ぬくぬくの音」というのがぴんとこなかったですねぇ…私には。 |
感想 | 山口あずさ | 温々ならほのぼの、抜く抜くだと( ゚_゚;)。 | ||
自解 | 松山たかし | たとえば小津をイメージしながらつくった句です。 | ||
テトリス vs. もぐらたたき ver.9.11 | 山口あずさ | 感想 | 白井健介 | ゲームに関してはからっきしダメな私ですが「もぐらたたき ver.9.11」って、何ッじゃこりゃッ、ていうくらいのインパクトありそう。 |
自解 | 山口あずさ | テトリスがver.9.11で、もぐらたたきが、ver.10.07ですね。 |