第六回Hi! ku City選句結果 |
8点句 | ||||
雑炊の仕上げの強火冬送る | 白井健介 | 特選 | 喜誉司 | 一番食べてみたくなりました。 |
選 | 山口あずさ | オーソドックスな一句。<仕上げの強火>にこだわりを感じた。 | ||
選 | 齋藤朝比古 | 俳句的上手さ。送るのは冬じゃない方が良かったかも。 | ||
選 | 夜来香 | こうゆう冬の送り方もあるんですね、素直に情景が浮かびました。 | ||
選 | 五十嵐秀彦 | 共感しました。でも「雑炊」が既に冬なので「冬送る」の座五がちょっと疑問。 | ||
選 | 正明 | あったかそう。 | ||
選 | (h)かずひろ | なるほど。 | ||
6点句 | ||||
梅日和不幸自慢を鑑賞す | 岡村知昭 | 特選 | 夜来香 | 不幸自慢は幸福自慢と背中合わせであり、耳障りである。薄ら寒さの残る日に梅だけが地味に光を放っている風景・・・ 不幸自慢している人の卑屈さとよく重なります。 |
特選 | 正明 | 題の使い方からすると反則っぽいですが、シニカルな目の中に愛情が感じられたので。 | ||
選 | 五十嵐秀彦 | この醒めたところがよいですね。 | ||
選 | ぶう | |||
感想 | 山口あずさ | より不幸な人に「不幸自慢」で負けて悔しがる人というのは、実際に存在するらしい。 | ||
感想 | 白井健介 | 「鑑賞す」という言葉が固くて、大袈裟な印象を受けた。ゆえに「梅日和」というイメージとのアンバランスを生じたような感じがします。 | ||
5点句 | ||||
兼題は幸ときき爪を噛む | ぶう | 特選 | 五十嵐秀彦 | 文句無し。特選句。と思ったら無季だった。残念。でも良い句だと思います。うーむ、困った。でもやっぱり特選! |
選 | 山口あずさ | テーマに対する返歌ならぬ返句ですね。 | ||
選 | 子子 | 気持ちはとっても!!毎回そんな感じですね。 | ||
選 | 風狐 | |||
感想 | 白井健介 | 妙にリアリティーのあるところが魅力。 | ||
息白く受取印を待たれたる | つーやん | 特選 | 山口あずさ | 「寒いところをありがとうございます」という作者の声が聞こえてくる。 |
選 | 白井健介 | 作者の“眼の利き具合”に脱帽。<息白し>という季語にかつて無い斬新な切り口をもたらしたと思う。特選候補でした。 | ||
選 | 草もち | 判こって探すと出てこないんですよねー。寒い中玄関で待ってもらうのって、気の毒で。こんなところによく気づいたな、と思う句です。 | ||
選 | 五十嵐秀彦 | 宅配便の人を待たせているときに知った寒さ。切れの問題が残るか。 | ||
4点句 | ||||
廃屋の猫の日溜まり幸溜まり | 子子 | 特選 | 風狐 | |
選 | 五十嵐秀彦 | よい句と思ったが、廃屋とまでいう必要はあるか。 | ||
選 | ぶう | |||
感想 | 白井健介 | 「幸溜まり」とまでは言い過ぎだったかと思うのですが。 | ||
還暦や白い恐竜おりてくる | 姫余 | 特選 | 子子 | 還暦になるのが楽しみになりました。どんな恐竜なんだろ? |
特選 | 江戸切子 | 現代詩のような句。俳句でもこういう感覚で詠むことが出来るのですね。感心しました。 | ||
感想 | 山口あずさ | わたしは還暦にはまだ間がありますが、もしかしたら<白い恐竜>気分なのかも。 | ||
感想 | 白井健介 | この大胆さはなかなか魅力ありです。 | ||
自解 | 姫余 | まだ還暦ではありませんが、還暦の人の後ろ姿を見たらこの作品が浮かんできました。 | ||
人日のジャングルジムにつもる雪 | つーやん | 特選 | かんな | 着眼点の勝利。結構な高さまで積もりますね。 |
選 | 白井健介 | 「人日の」がよく利いています。ジャングルジムとの取り合わせが絶妙。 | ||
選 | 江戸切子 | 静かな校庭に子供たちの元気な声や姿の幻景が聞こえてきます。 | ||
感想 | 齋藤朝比古 | ちょっと気になった句。ジャングルジムにつもる雪はやや強引かも。季重なりも活きてない。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | 上五で切ったほうがよかったか。 | ||
3点句 | ||||
うきうきは−イオン竜の玉 | つーやん | 特選 | (h)かずひろ | 「ーイオン」と「竜の玉」の対比を新鮮に感じました。うきうき。 |
選 | 正明 | いい句か悪い句かわからないですが、うきうきした感じが何となく気になります。 | ||
感想 | 山口あずさ | <−>って,「マイナス」ですか?一瞬イーオンかと思って,英会話の宣伝?と思ってしまいました。 | ||
感想 | 白井健介 | 知人の句で《淑気とはマイナスイオンだったのか》というのがあり、そのシンプルさと比べるとちょっとインパクト弱いかな。 | ||
俺にある山のあなたに行かずとも | PARCO ROSSO | 特選 | ぶう | 言われてみたいです。はぁ〜っ |
選 | かんな | 「俺様」入った句は基本的には苦手。ただ私と同じ出発点からのこの飛距離を思うと「負けた」という気がして一票。 | ||
感想 | 白井健介 | ギャグのセンスにおいて看過できないものが… | ||
酔ひ浅き幸綱歌集寒豆腐 | 五十嵐秀彦 | 特選 | 松山たかし | きっちりとした句ですね。感心しました。 |
選 | 江戸切子 | まさに至福のひととき。こうした時間を持てることをうらやましく思います。 | ||
感想 | 山口あずさ | 今思ったのですが、「幸綱」というお酒があってもおかしくないですね。どこかにあったりして。 | ||
感想 | 白井健介 | 「寒豆腐」とは私には耳慣れぬ言葉でした。 | ||
詫助よ幸せな人って大嫌い! | 喜誉司 | 選 | 夜来香 | はい、はい、幸せな人って憎たらしいものですよね。大嫌い!とするより、幸せな人って嫌いです。と淡々としたほうがよかったような気も・・。 詫助に語りかけたところがいい。 |
選 | 草もち | 大嫌い!と叫んだところに、一票。 | ||
選 | showmaru | お気持ちは分かります。しかし朝鮮半島より渡り来し詫助の花には返す言葉がないかもしれません | ||
感想 | 山口あずさ | 了見狭すぎ。 | ||
感想 | 白井健介 | 中七下五のテンションからすると「詫助」ではおとなし過ぎるような気も…。 | ||
白鳥が来てるそうです中継です | 草もち | 選 | showmaru | ここで笑ってしまったので1点! |
選 | かんな | 風刺句としていただきました。かなり好きです。 | ||
選 | 松山たかし | 口語体が新鮮です。白鳥とマッチしている。 | ||
感想 | 白井健介 | ズームイン朝のようですこの俳句 なんてね。 | ||
小夜更けて地雷の上に積もる雪 | 江戸切子 | 選 | 山口あずさ | 地雷ではなく種を植えていたらというマフマルバフ監督の言葉が思い出されます。 |
選 | 正明 | この手の句は理屈に落ちることが多いように思いますが、この句は絵が浮かんできます。 | ||
選 | 風狐 | |||
感想 | 白井健介 | 思うに<○○の上に積もる>という言い回し自体そもそも野暮ったい気がする今日この頃、されば《小夜更けて雪うつすらと地雷原》とかの方が…。 | ||
感想 | 齋藤朝比古 | 上五やや冗長で残念。 | ||
空映す姉嫁ぐ日の薄氷 | showmaru | 選 | 白井健介 | 使い古しの感がある設定だけに読み手の側もその情趣に枠をはめて受け流しがちなのを鑑賞の姿勢において自戒せねばと思います、こういう句に出会う度に。 |
選 | かんな | 薄氷が空を映しているのは珍しくない。でも一心象風景としていいと思う。 | ||
選 | 松山たかし | 緊張感が伝わってきます。でも、なにか不安な緊張感で嫁ぐ姉の背景が気になってきますね。 | ||
感想 | 山口あずさ | 姉は幸せになったのだろうか。<薄氷>が気に掛かる。 | ||
ちよこれいと六歩進んで振り返る | 山口あずさ | 特選 | showmaru | 「ちよこれいと」特別な意味はないけれど気になる二月 |
選 | 子子 | あぁ、振り返らないで。。。 | ||
感想 | 白井健介 | 最近“この遊び”を詠んだ句をいくつか目にしましたが、この句も上手く出来ていると思いました。無季なのが私には残念に思われます。 | ||
自解 | 山口あずさ | ノスタルジー。我ながら可愛過ぎる。バレンタイン風味は隠し味。 | ||
裏声の山河に渡るしまき雪 | 五十嵐秀彦 | 選 | (h)かずひろ | 雪女郎の裏声かも・・・ |
選 | 正明 | 絵としてきれいそう。 | ||
選 | 江戸切子 | 雰囲気で選びました。 | ||
感想 | 白井健介 | 「裏声の」がよく分からなかったです。私の感じでは<雪しまき>とする方が自然のように思えるのですが。 | ||
幸福駅跡はすっぽり雪の中 | 草もち | 特選 | 白井健介 | 作者は実施にその場所を訪れたのでしょうか? 読者としてはそうであると思いたいです、否そう信じます。 |
選 | 齋藤朝比古 | あぁ、ありましたね幸福駅。懐かしい感慨に一票。 | ||
感想 | 山口あずさ | 幸福行きの切符、流行りましたね。 | ||
自解 | 草もち | かつて北海道に幸福駅という駅がありました。付近には福井からの入植者が多かったので、その「福」をとって名づけられた地名だということです。広大な十勝平野のまんまん中でした。 | ||
2点句 | ||||
茶柱に駅までスキップ冬緩む | showmaru | 選 | 松山たかし | 判ります、この気分。 |
選 | ぶう | |||
感想 | 山口あずさ | 磯野波平さんに詠んで欲しい一句。 | ||
感想 | 白井健介 | 因果関係(答え)を表に出してしまっているのが難点。 | ||
いつせいに雑煮の伸びる家族かな | 齋藤朝比古 | 選 | 喜誉司 | おかしみがあって好きです。 |
選 | 松山たかし | ちょっとしたユーモラスに惹かれました。 | ||
感想 | 山口あずさ | 雑煮が伸びるとはどういうことなのだろう?餅が伸びるということなのだろうけれども、蕎麦が伸びてしまう(=まずくなる)ような印象も受けてしまった。 | ||
感想 | 白井健介 | 着眼点が面白くて佳いです。ただ「雑煮の伸びる」という措辞には無理を感じますね、やっぱり。例えば《いっせいに伸びて家族の雑煮餅》というふうにしてみるとか…であれば間違いなく私は採ります。 | ||
鏡割り凍った幸を解き放つ | 喜誉司 | 選 | 夜来香 | 鏡餅には冷凍保存された幸福があるように思います。さて、今年の幸の行方はこれからだ、正月ボケした自分に喝を入れたくなりますね。 |
選 | 風狐 | |||
感想 | 山口あずさ | 今ひとつ実感がない。 | ||
感想 | 白井健介 | なんかちょっとコワイ感じもするフレーズですね。 | ||
やすらかに猫と並びて炬燵かな | 風狐 | 特選 | 齋藤朝比古 | この句が一番幸せ感がありました。猫と炬燵はつき過ぎだけど、ここまでやってくれれば逆に心地好い。 |
感想 | 白井健介 | 「猫」と「炬燵」の取り合わせに敢えて挑むというのなら余程の意外性がないとキビシイですよねぇ。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | 「やすらかに」と言わずにおきたい。 | ||
沈丁花ほどの幸あり白湯の友 | 正明 | 選 | (h)かずひろ | 「白湯の友」という表現を面白く思いました。 |
選 | 喜誉司 | 白湯って音じゃなくって漢字だと美味しそう。 | ||
感想 | 山口あずさ | <白湯の友>って、入浴剤でしょうか? | ||
感想 | 白井健介 | 「白湯の友」というのが私には分かりませんでした。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | よい句と思ったが、「白湯の友」というのがピンと来ず・・・。 | ||
幸運のきざしでしょうね帰り花 | 段々 | 選 | 草もち | 帰り花。。。なんとなく不吉な感じもするけど、そんなものに「幸運の兆しでしょうね」と念を押すところが、ちょっと痛々しくて惹かれます。 |
選 | 夜来香 | 帰宅途中に思わず花を買ってしまいたくなる日ってありますね、自分に語りかけているであろう、でしょうね、に好感を持ちました。 | ||
感想 | 山口あずさ | <でしょうね>に他の言葉が欲しいところ。 | ||
感想 | 白井健介 | 「帰り花」という季語をもってくる場合、何かもうひと捻り欲しいような…… | ||
いろいろの布のはみ出す春着かな | 齋藤朝比古 | 特選 | 草もち | 「春」を上手く捉えているなあと、感心しました。万物が色づき始めるこの時期にぴったりです。 |
感想 | 山口あずさ | そうです。本来楽しい筈の春のファッション。マスクをしなければならない身が恨めしい。。。−−;。 | ||
感想 | 白井健介 | この句については、超有名な久女の句《花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ》と同じ系統の発想にしてなおかつそのインパクトを超えているか? と考えたときに、やはりキビシイと言わざるをえないと思います。 | ||
豆撒きの声の狭間に売り家有り | showmaru | 選 | 江戸切子 | 狭間がちょっと・・と思ったのだけど。 |
選 | ぶう | |||
感想 | 白井健介 | 「有り」が不要に思えます。例えば《鬼やらふ声の狭間の売家かな》とか。 | ||
1点句 | ||||
雪眩しあべかわ餅に幸多し | 松山たかし | 選 | 齋藤朝比古 | なんか郷愁がある。幸多しなんて言っちゃうと俳句としてはめろめろになることが多いんだけど、あべかわ餅がよかった。 |
感想 | 白井健介 | 「幸多し」と言葉にしてしまわずにそう感じさせられたら理想ですけど…。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | いろいろのせちゃいましたネ。 | ||
自解 | 松山たかし | 「幸」なんて縁がないなあ、最近は。 | ||
二月馬鹿ハート煎餅裏返す | 山口あずさ | 選 | 草もち | なんか分からんけど、「二月馬鹿」とか「ハート煎餅」とか、微妙なユーモアを感じました。ひょっとしてのろけ? |
感想 | 白井健介 | 「二月馬鹿」という言葉は初耳でした。 | ||
自解 | 山口あずさ | 義理煎餅。他意なし。 | ||
初春も つかずはなれず じょんじょれず | ぶらぁ | 選 | 子子 | 「じょんじょれず」の意味が分からないのですが、なんかいい言葉みたい。。。な気がして。 |
感想 | 山口あずさ | 一文字空けの意味は。<じょんじょれず>って、どんな意味でしょう? | ||
感想 | 白井健介 | 「じょんじょれず」ってよく分からないけど、なんか可笑しい。 | ||
幸福論読んでる不幸雪起こし | 草もち | 選 | 子子 | なんとなく、納得。 |
感想 | 白井健介 | 「幸福論」を読める余裕って案外「不幸」じゃないってことなのかも。 | ||
感想 | 齋藤朝比古 | 季語がどうだったかなぁ。 | ||
不死探す徐福の不幸冬の雷 | 段々 | 選 | (h)かずひろ | それを命じた始皇帝は幸だったのか、不幸だったのか・・・ |
感想 | 山口あずさ | 意味は詰め込みすぎなのに<不>が二つもある。 | ||
感想 | 白井健介 | 無学な私にはこの句を解釈するのは困難です。 | ||
幸あれと言いし言われし友多し | PARCO ROSSO | 選 | 風狐 | |
感想 | 山口あずさ | 挨拶代わり? | ||
感想 | 白井健介 | ともあれ「友多し」なのは好いことと思います。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | で、みんな結婚しちゃった、ってか。 | ||
残り福りんご飴売る老夫婦 | (h)かずひろ | 選 | かんな | かわいい?老夫婦が想像できた。 |
感想 | 白井健介 | 「りんご飴売る老夫婦」は味わいあるフレーズ。「残り福」が蛇足の感じ。 | ||
デパートの大き窓より春立ちぬ | かんな | 選 | showmaru | そしてショーウインドウに映る、まだ冬を重ね着している自分を見つけたりする |
感想 | 白井健介 | 「大き窓“より”」とあるから作者の発想の主眼はショーウィンドウなのかな。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | デパートから春が立ったというのは分る気がする。 | ||
感想 | 齋藤朝比古 | 一読わかりやすい句。幸せ感もあり。ただ、類想はあるかも。 | ||
燗酒で静かに送る大往生 | せきピロ | 選 | 齋藤朝比古 | 江戸家猫八さん、海老一染太郎さんと、寄席色物の大御所が相次いで逝ってしまいました。熱燗で送らせていただきましょう。合掌。 |
感想 | 山口あずさ | テーマ「幸」の真実はここにあるのかも。 | ||
感想 | 白井健介 | う〜ん……シブイ句です。 | ||
幸願いおばばが作る朱欒鍋 | 正明 | 選 | 喜誉司 | お茶は聞いたことありますが、鍋になるとどんな感じなのでしょうか。 |
感想 | 山口あずさ | <朱欒>ってザボンだったのですね。知らなかった。ところで、<朱欒鍋>ってほんとうにあるのでしょうか?Googleにも出て来なかったけど。。。 | ||
感想 | 白井健介 | 「朱欒鍋」ってどんなふうか想像つかないけど、「願い」は言わずもがなか。 | ||
雪こんこ卵ミルクでアイスクリン | 江戸切子 | 選 | 白井健介 | 「アイスクリン」というレトロな言い方が妙味。「雪こんこ」が実はよく利いているんですよねぇこの句、私はそう思う。 |
感想 | 山口あずさ | 美味しそう! | ||
自解 | 江戸切子 | 子供の頃の思い出。まだ雪はこうして食べられた。 | ||
震る字の一行添え来年賀状 | 一文無 | 選 | 山口あずさ | 祖父が最後に書いた年賀状を思い出す。祖父は自分の文字を見て、「来年からはお前が書いてくれ」と母に言ったのです。 |
感想 | 白井健介 | 「来年」「賀状」と読んでしまいそうな(まぁそう間違えることはないでしょうけど)字面をどうにか出来るとベターかな、という気がします。例えば思いきって次のようにするのは分かり難い?《一行の震へてをりし賀状かな》 | ||
0点句 | ||||
夢のまた夢を夢見る神の留守 | 子子 | 感想 | 山口あずさ | 今、十月の季語を読むのはちょいと苦しい。 |
感想 | 白井健介 | ともあれ宜しいんじゃないでしょうか。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | 「夢を夢見る」という類句は多いはず。 | ||
藪巻よ腹巻よバカボンのパパ | 白井健介 | 感想 | 山口あずさ | バカボンのパパのCMを見ての一句か? |
町役場幸せ色の牡丹雪 | 松山たかし | 感想 | 山口あずさ | 高倉健主演? |
感想 | 白井健介 | 「町役場」がどう機能するのか見えてこない感じがしました。 | ||
ふざけるな聞いてばかりだ同じこと | PARCO ROSSO | 感想 | 白井健介 | 冷静に冷静に。 |
感想 | 五十嵐秀彦 | 面白い線をねらっているのは理解できるのですが、詩になっているのかどうかという点で疑問。 | ||
幸せをあなたにおいて山眠る | かんな | 感想 | 白井健介 | う〜ん……宜しいんじゃないでしょうか。 |
なぁーんだエックスはエックスを探すこと | ランドローバー | 感想 | 白井健介 | 私はまだ「なぁーんだ」と思えずにおります。 |
ごまめ噛み時は無量と想ひけり | 五十嵐秀彦 | 感想 | 白井健介 | ちょっと待って…この句深いかも… |
遠縁に挨拶さるる年の酒 | 朝比古 | 感想 | 白井健介 | 「年の酒」の句としてはちょっと当たり前過ぎたと思います。 |
ここになくそこになければ明日になし | ランドローバー | 感想 | 山口あずさ | 空しいけれども可笑しい。 |
感想 | 白井健介 | う〜ん……分からないです。 | ||
電熱器幸取られたらまた作れ | 正明 | 感想 | 白井健介 | どうだ、俺もそう思うぞッ。 |
ストロボ放つ女性写真家初観音 | (h)かずひろ | 感想 | 白井健介 | この「初観音」って所謂“観音さま”のことじゃない? と思わず興奮気味なこの私……。ナイスですねッ! |
おせちより好物ならぶ郷里かな | 美峰 | 感想 | 白井健介 | 「郷里」の自家製の「おせち」が「好物」ということとは違うの? |
達磨さん起きっぱなしのかろき幸 | 夜来香 | 感想 | 山口あずさ | 達磨さんはなかなか転びませんね。子供の頃、無理矢理転ばしたことがありますが。。。。 |
感想 | 白井健介 | 「起きっぱなしの」あたりをもう少しお洒落に出来るかも。七転び八起きにプラス転ばぬ先の杖を踏まえて例えば《福だるま転ばぬ先のかろき幸》とか。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | 自分の境遇のことでしょうか。軽い幸せなんてものはないのに贅沢な感想ですね。 | ||
自解 | 夜来香 | 起き上がり小坊師じゃない達磨ってのもあるんですね。達磨市では人気がないそうで売れないらしいですが。前の年に転んでない人は、現状維持で七転八起きしない達磨を買うのがいいと聞きました。起き上がり小坊師は、おもりが入っているから重いんです・・。 | ||
炬燵居に祝ぎ歌う歌喜寿の父母 | 一文無 | 感想 | 山口あずさ | 父母は同い年? |
感想 | 白井健介 | ちょっとごたついた感じですので……一応整理すれば《父母(ちちはは)の喜寿の祝ぎ歌春炬燵》となるでしょうか。 | ||
宰相は耐涙性なり眞紀子の忌 | 山口あずさ | 感想 | 白井健介 | 作者には申し訳ないですが、私はこの句に面白さは見いだせないです。 |
感想 | 五十嵐秀彦 | 時事川柳? | ||
自解 | 山口あずさ | ウォータープルーフで一句書こうと思っていたら、こうなった。 | ||
点と線土に隠れし羊かな | 喜誉司 | 感想 | 山口あずさ | 「ひつじの絵を描いて」(by 星の王子さま) |
感想 | 白井健介 | う〜ん……意味が分からないです。 | ||
お元日額のピカソはそつぽむき | 江戸切子 | 感想 | 白井健介 | 五音にするためということも分かりますが、「お」という接頭語を用いる手段というのはあまり好まれない傾向にあるようです、私の認識の限りでは。 |
感想 | 山口あずさ | ピカソがそっぽを向いているのはちょいと当たり前過ぎ。 | ||
友人の名に幸の字はあまりなく | 桃ちゃん | 感想 | 白井健介 | <そうだろうなぁ>という感想を持つが、報告に終わってしまった感じです。 |
幸せや猫のごろごろ冬菫 | 風狐 | 感想 | 白井健介 | 非常に惜しい句だと思いました。この句は「冬菫」の前でも“切れ”る構成と見受けられるので「幸せや」という強い切れ字で三段切れにしては拙いですね。《幸せは猫のごろごろ冬菫》であったなら私は採りました、きっと。 |
不幸ならいつも具体的なんだけど | ランドローバー | 感想 | 山口あずさ | <不幸はいつも具体的>で、上五が欲しいところ。 |
感想 | 白井健介 | 句としての難点を指摘しようと思えばそれは容易いこと。でも、この句の“言い留めた内容”の切れ味には心打たれました。 | ||
花びらの占い春の幸不幸 | 段々 | 感想 | 白井健介 | 「花びらの占い」は<花占い>と言えば宜いと思いますので、もっと何か言えた筈ですよね。もったいない。 |
香港で終わった恋の小篭包 | 子子 | 感想 | 白井健介 | 「小篭包」の前の“切れ”が欲しい。《香港に恋は終はりぬ小篭包》みたいな感じとか。 |
ミズスマシ庄内川に幸が降る | 松山たかし | 感想 | 白井健介 | 個人的には「ミズスマシ」のようなカタカナ表記は(理科の)教科書風でいささか抵抗があります。 |
葉牡丹やガチャガチャと呼ぶ販売機 | 白井健介 | 感想 | 山口あずさ | ガチャポンがガチャガチャのことであると昨年知った。地域格差なのか、世代格差なのか。 |