第二十一回Hi! ku City句結果

8点句
はりはりとめくる新聞鳥雲に
齋藤朝比古
特選
美峰
連日のイラク戦争を映画感覚で眺めてましたが、北朝鮮問題が浮上してきて戦争が他人ごとではなくなってしまいましたね。
特選 喜誉司 気持ちのよい情景が思い浮かびました。
特選 白井健介 「はりはりと」というオノマトペが意外にして実に的確。感心しました。
五十嵐 秀彦 配達されたばかりの朝刊の感触。言われてみれば春の季感。
しぐなす  
 
6点句
玉手箱処理班を呼ぶ春の夢 白井健介 特選 しぐなす 玉手箱って危険物だったんだと初めて認識しました。
特選 山口あずさ 一挙に老人では恐ろしいものね。「春の夢」がうまくはまりましたね。
草もち 面白い。「夢オチ」でなければ特選にしたかった。
showmaru ちょっと自分で開けてみたい気もする。
 
オトメゴコロ進化しており春の宵 山口あずさ 特選 子子 これ、ダントツの特選!!まったく、そう思っていました。内容に共感してしまうと、下五ってなんでもよくなっちゃいますね。うーん、いいことなんだろうか、よくないのだろうか。。。
特選 草もち カタカナが可愛いです。「トクセン♪」って感じ?
showmaru 複雑すぎてまだ解明されていない乙女進化論。
美峰 かつての乙女には理解不能なものなのかも・・
感想 白井健介 そうなのかぁ……。
自解 山口あずさ 都会の雑踏を歩きながら、二人の青年が話しながら歩いていた。一人の青年が人生の真理を語るように「乙女心は進化しているのだ」とのたまわった。早速メモをとり、俳句にしてしまいました。(>ダンケ 雑踏のお兄さん)
 
かたくりのふしだらな夢覗き見る 夜来香 特選 五十嵐 秀彦 とてもふしだらとは思えない清楚な花ですからこそかえって、そこに覗き見る夢があったということなのでしょう。
子子 かたくりの花って、咲くと必ずニュースに登場する不思議な花ですね。
しぐなす あんなカワイイ花がみるふしだらな夢って興味あります。
草もち あの清楚なカタクリもふしだらな夢を見ている、という想像力が、Hでグー。
一文無  
感想 山口あずさ 大蛤が見た夢が蜃気楼だそうだが、かたくりの見た夢はポルノ?否、ポエムであろう。
感想 齋藤朝比古 「かたくりのふしだらな夢」でほぼ完結している。「覗き見る」はいかにもとってつけたようで残念。
感想 白井健介 「かたくりの」というのが解らなかった。
 
5点句
テレビでは愛だの恋だの柏餅 松たかし 夜来香 平和な視聴者の風景、すんなり入ってくる句です。
草もち 「柏餅」が効いてると思います。
白井健介 「柏餅」が“いい味”出してるなぁ、て思います。
山口あずさ 花より団子。愛より団子。
子子 この言葉のリズムが、内容とよくあってて好き!
 
4点句
凝視するテストパターン春の暁 しぐなす 白井健介 むかし土曜日の朝のウルトラセブンを待つ時がこんな感じでした。
子子 まったく、そんなときあります。
草もち さいきんは24時間何かやってるチャンネルが多く、テストパターンをオン・エアで見る機会も減りましたね。作者は通信関係の方?
一文無  
感想 山口あずさ ちょっとビョーキか。
 
3点句
嬉々と来て買はずに帰る苗木市 五十嵐 秀彦 白井健介 心理の微妙な陰翳の妙。
美峰 気持ちはとてもよくわかります。
喜誉司 なんだか好きです。
感想 齋藤朝比古 うん、解る。ただ、動詞が3つ並ぶと説明過多でうるさいのと、下五はどんな「市」でも句として成立してしまう弱さ。
感想 山口あずさ いまいち、だったのですね。
 
着弾に揺れる画面や春炬燵 一文無 齋藤朝比古 戦争と平和の対比…。この世界はやや食傷気味なれど、無理のない表現でなかなか巧く処理されていて好感。
山口あずさ 心が揺れる。
松たかし 観客としての姿勢を精いっぱい表現
 
気詰まりな二人を知らず春のTV showmaru 美峰 倦怠期??春の番組改編の時期の特番て気詰まりさ加減をさらに助長させそうですね。
松たかし よくある風景が俳句になった。もう少し突っ込んでほしいけれどね。
一文無  
感想 山口あずさ 笑ってる場合じゃないんだよね。
感想 夜来香 間を持たせるのがTVのひとつの役目ですね。下の句の「春のTV」をもっとくふうしたほうがよかったかも。
 
ベランダの桜吹雪に猫まじめ 子子 齋藤朝比古 「猫まじめ」がなんともよろしい。こんな刹那たしかにある。
喜誉司 猫はいつでもまじめで真剣ですけど・・・。
夜来香 思い入れがあるのかないのか、猫がまじめになっているところが微笑ましいです。
感想 白井健介 「まじめ」というのは“真顔”とか“神妙な顔”という意味合いかな。微笑ましい句です。
感想 山口あずさ 「まじめ」がいいですね。
自解 子子 「猫まじめ」という単語が存在しているようです。とてもいい言葉だと思ったので。
 
花散る夜の中央競馬ダイジェスト 草もち showmaru 似合い過ぎな場面だが本命も一応買っておこう。
白井健介 とても好きな句。「散る」は無くても宜いような気がする。《花の夜の中央競馬ダイジェスト》とすれば好いかと。
五十嵐 秀彦 どことなく春の夜のけだるさがあるようで。
感想 山口あずさ ノブリスオブリージという名の馬がいることを知って、感動した。
 
幾度も押すリモコンの朧かな 齋藤朝比古 特選 showmaru ときどき不機嫌になるうちのテレビも朧なんだと思えばいいんだ。
しぐなす 意味もなくチャンネルを変えるときの所在なさに共感しました。
 
つちふるや他人ばかりのテレビジョン 五十嵐 秀彦 特選 夜来香 他人事なのに大きなお世話、うるさいオバチャン役が今のテレビなんでしょうね。昔のテレビのように映りが悪いとザザッと砂が舞ったようになる現象とつちふるやも重なりました。
齋藤朝比古 「他人ばかりのテレビジョン」に虚を突かれた。季語はやや実感に乏しい気もするが巧みな斡旋。
感想 山口あずさ 知り合いが出てるとかなり嬉しい。たとえちょっとした知り合いであっても。
 
青銅のキリン動きし暮春かな 一文無 特選 松たかし 春の暮れのぼんやりとした感じにぴったり。
夜来香 青っぽいファンタジックな風景。このキリンはどこにいるのかな、会いに行きたくなります。
感想 山口あずさ 青銅のキリンってあるのかな。馬ならいっぱい見たことがあるけれども。
 
2点句
灰皿と燐寸おしぼり春の海 白井健介 五十嵐 秀彦 「春の海」がやや唐突だが、そこが良いということにしておきましょう。
喜誉司 関係ないけど、嫌煙運動は大嫌い。
感想 齋藤朝比古 海辺の大衆食堂だろうか。哀愁あるも、何故か物足りない。「春の海」が明るすぎるのかも。
感想 山口あずさ 海でおしぼりを絞りたくなるのは、わたしのビョーキ。
 
ディレクターの合図で花は散りなさい 草もち 齋藤朝比古 諧謔。現代文明に対する反逆とまでは言わないが…。
しぐなす  
感想 山口あずさ 素直な花だ。
 
テレビみな砂嵐なり聖金曜 しぐなす 美峰 聖金曜というとイスラム教っぽいですね
松たかし なんでもない内容だが「聖金曜日」が句を詩にした。
 
春暁へしらしら旅の人となる 齋藤朝比古 喜誉司 「しらしら」が読んでいてまだなんとなく飲み込めていません。
五十嵐 秀彦 これから出発か。ありきたりなモチーフではあるけれど、「調べ」が良かった。
 
薫風やテレビ観戦舞妓らも 松たかし 特選 齋藤朝比古 どんな状況だったのだろう。茶屋にテレビがおいてあったのだろうか、それとも出番待ちの置屋の情景だろうか。いずれにせよ、「舞妓」の意外性の瞬発力。
 
1点句
泣けぬので泣くマネをする春休み 山口あずさ 子子 気持ち、分かります。
感想 魚容 面白いです。よいです。「春休み」もいいと思いました。
 
万愚節万年青年テレビっ子 夜来香 松たかし テレビへの皮肉
感想 山口あずさ 「万年青」をみて「おもと」と反応するのは俳人の病か。
 
テレビに座る考える人 喜誉司 山口あずさ テレビそのものに座るのでしょうか。テレビ画面の中ではなくて。前者だとして、前衛アートのようだ。
感想 夜来香 テレビも今や椅子代わり、いいところに気づきましたが、季語がないので座りが悪いような・・・。
 
風邪引きのポトフーフーフー花曇り 子子 山口あずさ なんか、かわいー。
 
春の服持たぬテレビは引きこもり showmaru 一文無  
感想 山口あずさ 「春の服持たぬ」で切れるのかな。。。。それとも、テレビそのものが服を持たないのだろうか?後者だといいかも。
感想 夜来香 自分自身をテレビに置き換えてみたのでしょうか。テレビ(の内容)っていち早く春の装いになるものだからちょっとムリがあるかななんて思ってしまいました。
 
懺悔用テレビ番組春麗ら 山口あずさ 夜来香 テレビはもはや見るものから懺悔するものに。で、それをまた見る人がいる・・・平和だってことなんでしょうか。
 
0点句
お花見は花を見るより華を見る かずー 感想 山口あずさ 知が勝ち過ぎているように思います。
自解 かずー 仕事が終わった後の同僚とのお花見。ほの暗い中の桜は幻想的で美しいが、それよりも、同じ場所でお花見をしている他社の女性社員の、おぼろげに見えるほのかに酔っ払った表情の方が美しいと思うのは私だけだろうか。
 
映像の 向こうに隠れる 真実の色 満美 感想 山口あずさ 一文字空けに意味はあるか?空いてないとただの文になっちゃう?
自解 満美 最近TVを見ていて、今流れている映像だけが真実でないのではないか、と疑問に思う事があります。
自分に都合のいい情報だけを流しているのではないか、本当の事が見えていないのではないか、と思ってしまうのです。
 
手酌で眺めむ夜桜中継 美峰 感想 山口あずさ ま、それも一興。
 
春の雨女が扉2つ買い 松たかし 感想 山口あずさ 扉だけ買うって、面白い。シュールだ。
感想 喜誉司 他に気になったのは、これ。パズルのようですね。
感想 魚容 よくわからないけど、なんか面白いですね。「どこでもドア」を買ったみたいで。
 
桜散る第五の壁やテレビジョン 五十嵐 秀彦 感想 山口あずさ そのうち、壁に埋め込むテレビもでてくるでしょうね。液晶壁面モニタ。
 
花も見ずミニモニになる35歳 美峰 感想 山口あずさ まだまだお若い。
 
CMに洗脳さるる春炬燵 しぐなす 感想 山口あずさ やば。
 
朝7時桜のたよりと爆撃音 美峰 感想 山口あずさ イラク戦争は終わってよかった。始まらなかったのなら、もっとよかった。
 
完璧なチワワの演技春闌る 白井健介 感想 齋藤朝比古 どうするアイフル…。あの犬は小憎らしいほど可愛い。ただ、来年の今頃、この句の意味が理解されるかどうかは疑問。
感想 山口あずさ チワワかわいっす。おやじも。
自解 白井健介 《完璧な演技のチワワ春闌る》とする方が誤解を生じるおそれは少なかったと思う。失敗したなぁ……。
 
薫風やTV演説一笑す 夜来香 感想 山口あずさ 茶の間の政治評論家。
 
屋根ごとにアンテナの立つ日永かな 草もち 感想 齋藤朝比古 作者の視線がなかなかのどかで、癒し系の句。なぜか落語「のざらし」のまくらを思い出してしまった。
感想 白井健介 この句《屋根ごとに立つアンテナの日永かな》だったら採った気がする。
感想 魚容 ああ、八木式のあのアンテナですね。パラボラではなく。日永の感じが伝わります。
 
ゴミ山の 頂上のテレビ 空映す 天音 感想 山口あずさ 映画のワンシーンっぽい。
自解 天音 画面の青。独占生中継。
 
レガッタの勝敗不服風見鶏 showmaru 感想 白井健介 「不服」とはどのような意味で不服なのでしょうか?
感想 山口あずさ ありますね。そういうことって。
 
春惜しむ日本紀行のテレビかな 京羅坊 感想 山口あずさ ありがちですね。
自解 京羅坊 吉野山をみて
 
葱坊主放送終了の日章旗 一文無 感想 白井健介 「葱坊主」……ちょっと離れ過ぎたか。
 
花吹雪優しく覆え血と涙 子子 感想 山口あずさ 任侠世界か。
感想 白井健介 ちょっとブルーな読後感、という一句。
 
春桜画一にするハコモノよ かずー 感想 山口あずさ 一瞬、「春画?」と思ってしまいました。すみません。
    自解 かずー 桜と言っても、全国各地で咲く種類も違うし、時期も違う。テレビでは全国各地の様子を伝えているが、多くの人が同じ情報を得ることによって、春が画一的なものになっている気がする。これはまさに、ハコモノ行政と通じるところがあるのではないか?

 

 

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